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【#えぞ財団:首長インタビュー①】村椿当麻町長×木下さん②~町長になる決定打は前町長の言葉「今のいい流れを切らさないでほしい」。”カリスマ型前町長”と”柔軟型現町長”~

■村椿 哲朗:2020年から当麻町長。当麻町役場ではまちづくり推進課地域振興係長などを歴任。「出来ない理由より、出来る理由を考え行動する公務員」「食育・木育・花育による心育のまちづくり」主軸に積極的なタウンプロモーションを実施。1979年当麻町出身。趣味は読書、アイスホッケー。
■木下 斉 : 一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事。
1982年東京都出身、母親が旧丸瀬布町(現遠軽町)出身。著書「地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門」「地方創生大全」「稼ぐまちが地方を変える」等。

役場職員から町長へ。職員時代は大胆な”SNS運用”、当麻町の見える化を極限まで

木下:村椿さん自身が前町長さんのほうから公認としてお前でないかというお話をされて、決意をされて出られたという事になるんですよね?

村椿:そうですね、そのような流れで。

木下:それまで町長になろうという野心はあったりしたんですか?

村椿:そういう意味ではないんですけど、職員時代に他の町の職員から公務員って町長になっている気持ちで仕事しないと責任持たないし、他人事になるし駄目だよねという話をされた事がありまして。当時その方から言われた事は本当にその通りだなと思いまして、それから自分の中でやるんだったら町長と判断する事を踏まえたうえで、事務方として例えば常に三つのパターンを考えて提示するだとか、それを判断されるのはリーダーなのでそういうところまで職員自身も責任を持たないと良い政策というか良い仕事をできないんじゃないかと意識的にはたしかにありましたが、こういう形になるとは全然思ってはいなかったです。
 実は広報の担当になってからコンクールがあったんですね。例えば北海道全道のコンクール、その先に全国の広報コンクールというのがあって、私ずっと表彰を受けていまして。その時に多分自分で気付いていなかったんですけど、別の町の広報担当の方に「あなた本気出していないでしょ」と言われた事がありまして。どうしていきなりそんな事言われるんだと思ったんですが、言わんとしている事はその力を更に次のステップに繋げられるんじゃないのと言う意味だったと思うんですけど、コンクールで賞を獲ってどうこうじゃなくてその取り組みをどう知っていただいてどうしていきたいかがあなたが考える事だと。当時ちょうどFacebookとYouTubeが出てSNSが普及し始めたくらいだったんですよね。その時に言われて、でも炎上恐いし嫌だとか思っていたんですけど(笑)そんなんじゃだめだというメッセージをいただきまして、Facebookやったり、思い切ってYouTubeチャンネル作っちゃえって作ったり。それで吹っ切れたというか当麻町ならではの見える化を極限までやっていこうとなりましたね。

木下:そうなんですね、そこからまたギアがはいったんですね。そこから町自体の代表者だったらどう考えるのか意識して仕事しようと気概を持ってされてきたという事ですね。

村椿:はい、そうですね。自分は役場の職員たるものわかりやすく言うと町の商品じゃないかと思っています。職員が良い方=良い商品であれば、町民の方であったり町外の方が、あんな人がいたら信頼出来たり何か一緒に出来るんじゃないかと相乗効果が生まれるんじゃないかと思っていまして、その一人になりたかったと思っていますし、そういう公務員が増えるのがこれから求められている事じゃないかと思いましたね。

町長になる決定打は前町長の言葉「今のいい流れを切らさないでほしい」。”カリスマ型前町長”と”柔軟型現町長”

木下:前町長さんはおいくつだったんですか?

村椿:今73歳になられましたね。52歳から5期20年やられた町長なので、当麻町をここまで引き上げていただいたという感じですね。

木下:バトンを渡すのであれば若い方に渡したいというお気持ちがお有りだったという事なんですね。もちろん若いだけではないと思いますけど総合的に評価をして。地域によってはもっとおじいちゃんとかでてくるところもあるじゃないですか。

村椿:通常で行くと私のような者ではなく先輩の方もたくさんいらっしゃいますが、私にとって最終的な決定打となったのは前町長から「今の良い流れを切らさないで欲しい」と言われた事ですね。当麻ってなんか楽しそうな町と言われる事が非常に多くなって、ユニークな人材も育ってきていると。「ただまだ芽が芽吹いてきたところなのでそれを潰さずに伸ばしていけるのは君じゃないか」と言っていただいて、そう言われると自分もやってきた身としてこれは逃げられないと(笑)

木下:なるほど(笑)賭けていただけるというか期待していただけるのであればという気持ちになられたという事ですね。公務員から町長さんや市長さんになられた方はたくさんいらっしゃいますけれども、ある程度上にあがってからなられる方が多い中で村椿さんは大抜擢されて。町長さんになられてからまだあまり時間が経っていないとは思いますが、なる前となった後で何か見える世界の変化はありますか?

村椿:周りの方からは若くしてなられて大変でしょうとご心配のお声をいただくのですが(笑)ただありがたい事に諸先輩の皆さんや役場の皆さんと今まで一緒にやってきたプロジェクトで信頼関係が出来ていたのかなと。私は本当にやっていけるのかと不安があったんですけれども、皆さんが支えてくださってディスカッションしながら決めていくスタイルでやらせてもらっています。今まで菊川前町長はカリスマ的なリーダーシップがある、そこに向かってのトップダウン的な部分があったんですけれど、私のタイプはどちらかというと、皆さんと柔軟性を持った中で何が最適かを探っていきたいタイプで、ひとつ決めたからそれが絶対ではなくて、走りながら修正するという感覚でやりたいと思っている中で、今職員の皆さんとディスカッションさせていただきながら本当にうまくやらせていただいています。

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