【えぞ財団・経営者対談】コンサドーレ野々村社長にサツドラHD富山社長がインタビュー①~コロナ禍で的中した野々村社長の直感~
Jリーグ再開直前企画!北海道北海道コンサドーレ札幌の運営会社コンサドーレ野々村社長が新型コロナウイルスによるリーグ中断、自粛期間におけるチームのかじ取り、そして再開が迫る今の心境について語る。選手による報酬の一部をクラブに返納については「バカ野郎、お父さんをなめんじゃないよ」とコメントも選手への感謝と愛情がたっぷり。プロスポーツチームの経営についてサツドラHD富山社長がインタビュー。(2020年5月28日取材)
■トピックス
対談①
・コロナ禍で的中した野々村社長の直感、Jリーグチェアマンに伝えた「どこよりも先にJリーグは安全策を!」
・今だから語ることができる「理念強化配分金見直し」の裏側
・リーグの歴史で培われた「選手・家族・地域」の共存共栄、現役選手にも受け継がれる「感覚」
・自宅待機で一人きりの外国人選手も。元選手だからわかるストレス軽減法「とにかくグラウンド開ける」
対談②
・今先のことをしっかり考えることが、将来につながる。野々村社長流フランクなスタッフへの声がけ
・社長として「ドライな感覚」は、サッカー選手だったから。社会に出て2年契約以上のものはしたことない
・決して潤沢ではない強化費でチームを強くするのが「腕の見せ所」、プロチームの特殊な懐事情も
・選手は応援で本当に強くなる、野々村社長の積極的な発信で「期待値コントロール」
対談③
・仲間集めとこんな時だから「転がってるチャンス」、チャナティップらアジアプロモーションは大きな可能性
・選手が報酬の一部をクラブに返納、広がる選手達の「感謝のカタチ」
・「バカ野郎お父さんをなめんじゃないよ」に現れる選手への愛情と感謝、選手が報酬の一部をクラブに返納への本音
・今季目標は「来季に一花咲かせるための成長」、以前より良くなるための方法は問わない
■野々村 芳和:2013年からコンサドーレ代表取締役社長CEO(途中会社名称変更あり)。現役時代は、ジェフユナイテッド市原を経て、コンサドーレ札幌でJ2優勝、J1昇格を果たす。1972年静岡県出身。
■富山浩樹:2015年からサツドラホールディングス代表取締役社長。卸商社を経て、2007年サッポロドラッグストアーに入社。1976年札幌市出身。趣味はジョギング、お酒。
コロナ禍で的中した野々村社長の直感、Jリーグチェアマンに伝えた「どこよりも先にJリーグは安全策を!」
富山:野々村さん、お忙しいところありがとうございます。
野々村:今朝もコンサドーレ取締役会で会ったばっかりですね(笑)
富山:そうなんですよ。こんなふうにインタビューって形はちょっと変な感じで初めてなんですけど、2015年からコンサドーレとEZOCAが提携をさせていただきお付き合いもさせていただいている中で、昨年から役員も拝命しまして一緒にやらせていただいています。
富山:コンサドーレ取締役会は、コロナ禍でここ数ヶ月ずっとオンラインでやって、なかなかシビアな話を終えたばかりですね。
野々村:どこもそうだと思うけど大変ですからね。
富山:そんな取締役会後に、えぞ財団は経済を軸にしているので今日はそういう生々しいリアルなところを、経済的視点も交えてお話させていただきます。7月にJリーグが開幕(7月4日再開決定)できるかもという感じですが、これまで野々村社長の心境の変化やコロナが起きてからいかがでしたか?
野々村:Jリーグが1試合目やったのが、2月22日だったかな(柏レイソル戦)。その頃北海道がコロナ第一波が始まりかけた頃で、きっとこういう風になるだろうなって僕自身は思っていて、第1節もやめた方がいいんじゃないかっていうことを2月20日くらいにはJリーグに伝えてたんですよ。
富山:そんなに早く伝えていたんですね。
野々村:僕これあくまでも勘なんだけど、武漢やクルーズ船の様子とかを見ていたらきっと日本もこうなるだろうから、どこよりも先にJリーグは安全策を取った方がいいんじゃないですか?っていうのを第一節の日には村井さん(村井満Jリーグチェアマン)はじめJリーグの人には伝えていました。それで今に至るんだけど、早い段階でこんなシーズンになるっていう予測をしておかないといろんなことが決まらないと思ったので、3月の頭ぐらいにはJ1の実行委員の人たちにみんな集まってもらって、きっとこういうシーズンになると思うからみんなで手放した方がいいもの、例えば賞金や、理念強化配分金がある(理念強化配分金:総額27億8000万円)んですよね。どっかのチームが20億もらえるんだけど、そういうお金も全部手放してみんなを救うシーズンにしましょうっていうのを僕はだいぶ早くから考えてはいたんです。
富山:なるほど。感覚としてはすごい速いですね。
札幌ドームのピッチに立つ野々村社長と富山社長 ©2018 CONSADOLE
今だから語ることができる「理念強化配分金見直し」の裏側
富山:どうしても心理的には、日常が今まで通り行って欲しいっていうバイアスがあるから周りはノノさん(野々村社長)ほどの危機感っていうのはなかったんじゃないですか?
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