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えぞトーク〜北海道再興戦略に向けて〜ゲストは前日銀札幌支店松野支店長

【毎月開催】北海道のいまをゲストと語る~えぞトーク~北海道再興戦略に向けて。今回は前日本銀行札幌支店の松野知之支店長をゲストに迎えてお送りします!北海道の「人口と経済」「他府県との金融的比較」「これからの北海道の可能性」などについてトークしました!

松野友之(まつのともゆき):前日本銀行札幌支店支店長。1967年函館生まれ。東京大学経済学部卒業後、日銀に入行。那覇支店長や発券局参事役(戸田分館責任者)、広島支店長、検査室検査役を経て2022年に札幌支店長に。


北海道の現状を人口と経済から読み解く

北海道の人口増減のグラフ

神門:まず最初金融を見る前に、人口と経済をみていこうかなと思います。北海道の人口を見ると1997年から2045年にかけて160万人くらい減少すると。現時点で520万人近く。生産年齢人口を見ていくと札幌市以外の地方では1998年から2018年までの20年間で約30%減少しています。札幌市は生産年齢人口と今は高齢者を吸収しているので人口維持をしてきましたが2021年に初めて人口減少をしました。札幌市もとうとう人口減少の局面に入っていってこれからどうするのかという感じですね。人口集中を見ていくと2040年には北海道の人口の約41%が札幌市に集まる。

生産年齢人口の推移
札幌市への人口集中の割合
日本の人口集中の比較


成田:すごいね、179市町村あって49%が一個にって。
神門:地方別に数値を比較してみても札幌市の数値はかなりレベルが高い。関東地方における東京23区より多い。木下さんが東京の人口流入のお話をされていたと思うんですけど。
木下:23区は1990代くらいまではドーナツ化現象ですごく少なかったんですけど都市再生法で一気に開発が進むようになってからは比率的には高まっていく傾向じゃないかなと思います。東京圏のエリアは千葉・埼玉・神奈川もいれるんですけどそれよりも大きい北海道ですからね。そこにおいて人口がこれだけ偏在するというのはかなり進んでいますよね。
神門:人口が札幌市に集中すると当然のことながら経済も集中するということで。北海道全体の総生産的には毎年20兆円くらいで、この数字は大阪市とほぼ同じ総生産になるんですよね。30年近く20兆円という数字は変わっておらず、経済成長率もアップダウンを繰り返して大体1%いくかいかないかくらいで続いているという感じです。経済の集中を見ていくと札幌市がある道央地域は北海道全体の64%ほどを占めていて、人口2番目の旭川市がある道北でも10%くらい。道東が意外と大きくて帯広・釧路・根室。道央の次に道東地域が18.5%で北海道経済の20%近くを占めていると。産業別なんですけど、北海道の総生産のうち約75%が第三次産業で、第二次産業が20%、第一次産業が4.3%となっていて、全国平均が1〜2%なのでかなり高い。内訳を見ていくと卸売・小売業だったりとか、第一次産業の中だと農業が一番大きいウエイトを占めている形になります。

過去10年間の道内総生産と経済成長率
2018年度道内産業別名目総生産と内訳

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