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卒業おめでとう…?

卒業おめでとうございます…?
そう言っていいものかどうか…

 卒業した後が希望に満ちているとどうして言えるでしょう。みなさんは不安でいっぱいだと思います。いやいや、もう既に日々つらい思いをしている人もいるのではないでしょうか。おまけに世の中は不安定になる一方です。未来がどんどん霞んでいくというのに「おめでとう」なんて言って送り出していいものか…

 社会が荒れつつあります。利己的に振る舞ってしまう人が増えてきた気がします。希望が持てないと真面目に頑張るのがバカバカしくなり、つい自暴自棄になっているのかもしれません。これはある意味仕方のないことです。生命体が長年培ってきた「生存本能」が発動した結果なのですから。こいつは行動パターンのかなり上位にあり、逆らうのはとっても難しいです。

 シカし! その先には何が待っているでしょう?

 冷静に考えれば分かります。短絡的に「自分さえ良ければ」と思って行動した結果、かえって危機を深刻化させ自分もダメになった例は歴史上いくらでもあります。衝動的に感情を爆発させても残念な結果が待つだけです。人類は長い歴史の中でそのことを学びました。そして、人間脳を獲得しました。まだ全然使いこなせていませんが、本当はこれは大きな希望です。

 世の中に凄い人はいくらでもいます。いやいや、本当は誰もが凄いのです。おまけにムチャクチャ頑張っています。にも関わらず希望が持てないのはなぜでしょう? いくら頑張っても報われず、それどころか辛くなる一方だからです。ですが断言します。世の中の人々は自分のことを過小評価し過ぎているのです。本当はすごい力があり、発想力もあり、様々な経験を積んでいます。今こそ改善のために声をあげ、行動することが求められています。
いい結果を出すには一人で頑張るより力を合わせた方が効果的です。それぞれの違いを尊重しつつ良さを持ち寄れば、世の中はガラリと変わり、「誰もが生きやすい社会」の実現に向かうでしょう。あきらめている場合ではありません。

 このことをそっくりそのままみなさんにも言いたいのです。みなさんは自分を過小評価していませんか。みなさんが日頃感じていること考えていることは大体正しいのです。確かに、みなさんには経験が不足しています。しかしこれは資質でもあるのです。しがらみや先入観に(割と)縛られず世の中を見ることができます。みなさんが社会をチェックするのです。

 世の中は失敗に厳しいですが、負けてはなりません。闘うのです。正しいと思ったことは主張するのです。間違ったら正せばいいのです。
自らの可能性を広げるために、学校の外にどんどん飛び出してください。様々な世代の人、様々な分野の人と接する機会を探ってください。一つ、例を記します。
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 辛い受験勉強お疲れ様でした。とりあえず一息入れて、4月からの過酷な勉強に備えて英気を養ってください。ところで、なぜ勉強しなければならないのでしょう? 自分が考えるに、勉強は二種類あります。

 一つ目は受験用の「勉強」です。辛いです。最終ゴールは進学先への合格にあり、勉強そのものが目的化しがちです。

 そしてもう一つ シンプルに「知りたい!」との思いを突き詰める「勉強」です。この条件に当てはまれば、全ては勉強です。これは楽しいです。そう、本来勉強は楽しいものなのです。

 シカし、こいつはよく潰されます。
「そんなことやってる暇があったら『勉強』しなさい!」
「その情熱を『勉強』に向けたらいいのに」…
 負けないでください。湧き出す好奇心を大切にしてください。決めるのは自分です。これこそが生きる道なのです。

 ただ既に気づいているかと思いますが、二つの「勉強」はきっかり分けられるものではありません。受験用の勉強の中にも好奇心を満たすものはあります。ですから、「好き」でいられる部分を大切に育ててください。そうすれば受験用の「勉強」も少しはラクになる…かもしれません(経験上、期待はできません~_~;)。

 勉強は一生ものです。バラバラだった学びがやがて結びつき、さらには経験によって強化され化学変化を起こし、新たな認知に繋がる日が来るでしょう。これは大きな喜びです。喜びは独り占めせず持ち寄って共有できるといいですね。そうやって社会は変わっていくのだと信じます。

最後にやっぱり言います。
卒業おめでとうございます!

2022年度末の吉日

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