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経営理念と新型肺炎とオリンピック

極楽湯ホールディングスの分析最終日です!

今日は有価証券報告書を詳しく見ていきましょう!

第一部【企業情報】 第1【企業の概況】を見てみてびっくりしました!
P2.「主要な連結経営指標等の推移」では、色々な財務指標が5期比較で載っています。
売上高や経常利益は以前に財務ハイライトでトレンドを確認しましたが、「営業活動によるキャッシュフローの推移を見てびっくり!!
前期(2019年3月期)は過去5期の中で2番目の金額を稼ぎ出しています。
そしてさらに、前期は投資キャッシュフローで過去最高の金額を投下しています。

CF推移

前期は確実に種蒔きの年だったと言えると思いますが、しっかりと営業キャッシュフローを稼ぎ出していたのでした。

もう少し有価証券報告書を見ていきましょう。
第2【事業の状況】、1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】では定性的な部分が具体的に書かれています。
P9.「(1) 出店戦略の再構築」の中には、日本国内で60店舗体制を目指すと書かれています。
現在の国内店舗数は極楽湯とRAKU SPAを合わせて、直営25店舗、FC15店舗の合計40店舗なので、まだ目標の3分の3、これからさらに20店舗を増やしていくと考えると、まだまだ種蒔き期は続くというようにも読み取れます。
中国においては、「極楽湯ブランド」の確率を目指して、直営、FC共に進めていくという方針も打ち出しています。

ちょっとここで、ページを進めて、3【経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】の中のP18. 「(1)経営成績等の状況の概要」「①財政状態及び経営成績の状況」で、中国の売上高、営業利益について触れられています。中国の売上高は前期比46.1%増、営業利益は前期▲16百万円から163百万円と大きく成長しています。
前期は投資を行いながらも中国では飛躍的に業績を伸ばしていました。今期はひょっとするとさらに大きく業績を伸ばす可能性もあるかもしれません。
投資による費用の増加と、中国市場での売上拡大の競争によって、株価も上がっていくのか下がっていくのかが見えてきそうです。

さて、話を戻して、2【事業のリスク】では、様々な事業リスクが挙げられています。
こういうのを読むとさすが上場企業だと感じます。
リスクをどれだけ広く、長い視点で見ることができるかが、企業の成長にとって最も重要な要素だと感じます。
この事業リスクを読んで思ったのが、施設に対して先行投資を行うビジネスのため、何か大きな問題を起こせば一気に倒産に追い込まれるリスクを秘めているということです。

出店計画を誤れば、撤退するにも現状復帰費用も掛かるため、赤字店舗を持ち続けるリスクがあります。さらに、赤字店舗であれば、予想していたようなキャッシュフローを稼ぎ出すことはできなくなるため、固定資産の減損を求められることもあります。
また、食品の提供等、衛生面でも十分な管理が行き届いてなければ、非常に大きな問題が発生することも考えられます。

こういった問題を起こさないようにするためには、成長よりも経営理念を重視した経営を行うことが求められると思います。
経営理念を社員や提携企業にしっかりと落とし込み、顧客第一主義でやっていけば、上記のような問題は起こらないでしょう。


さて、この極楽湯ホールディングスの株は買うべきかどうかという問いに対する僕の答えは、「今じゃない」。
その理由は、まだまだ極楽湯ホールディングスは店舗展開にコストがかかります。
この状況で黒字化を図るには中国市場での売上高の伸びが期待されますが、現在の新型肺炎の問題でかなり厳しい状態になることが予想されます。
今年はオリンピックイヤーでかなり大きなインバウンド売上も期待されますが、これも新型肺炎の影響で敬遠される可能性があります。

この新型肺炎が極楽湯ホールディングスの業績に与える影響は大きいので、もう少し様子を見守った方が得策だと思います。新型肺炎が収まるまでは極楽湯ホールディングスの株価も下がるかもしれません。
しかし、新型肺炎が収まれば一気に極楽湯ホールディングスの業績も復活すると思うので、そのタイミングを見計らって株を買うのがいいのではないかというのが僕の見立てです。

もし、早めに株価が上がっちゃったらごめんなさい!

でもかなりいい線いってるんじゃないかなぁ(自画自賛w)

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