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【会計】未来の会計について考えるシンポジウム

コロナで資金繰りに窮している服屋さんがあったので、これも何かの縁と思い、無償でサポートしていたところ「気持ちだから」と商品の服を頂きました。その気持ちが何より嬉しかったし、良いコンサルタントになるために勉強してきてよかったなぁとしみじみ思いました。

コロナによって生まれた新しい絆をみんなで共有し合いたいですね。コロナはネガティブな影響だけじゃなくて、新しい出会いや絆を生んでくれたというポジティブな影響も与えてくれてると思います。


さて、コンサルタントをやっていると「自分は何者なのか」という問いにしばしばぶち当たります。別に資格を持ってるわけじゃないし、作品のようなものがあるわけでもないので、コンサルタントって何なんだろうって思っちゃうわけです。

この前、ずっと読みたいと思っていながら先送りになっていた「会計の世界史(著:田中靖浩)」という本を読みました。
この本を読んで、なぜ僕は会計が好きで、かつ会計士ではなく会計コンサルタントに憧れているかが何となくですが理解できました。

会計といえば簿記というように、お金の入出金や財務状況、収益性の把握のために利用されますが、遡ること16世紀、元々はイタリア商人と銀行のお金の貸し借りによって発展していったと言われています。つまり、彼ら自身の収支を把握するためのものが会計でした。

そして、17世紀、オランダで世界初の株式会社「東インド会社」が誕生したことで、会計が自分のものから他人のものへと発展していき、「財務会計」が誕生しました。財務会計はヨーロッパへ広がり、そしてアメリカへ。そこから分岐するように、19世紀にはアメリカで「原価計算」「管理会計」が発展していきました。


さて、ここで今回のタイトル「未来の会計について考えるシンポジウム」にもある通り、僕が思う未来の会計についての話をしたいと思います。

僕が会計士ではなく、会計コンサルタントに憧れた理由もここにあります。

ここまで軽く会計の歴史について触れてきましたが、会計は歴史と共に進化してきています。貸借対照表ができ、損益計算書ができ、キャッシュフロー計算書ができました。
その時代のニーズに合わせて、会計も進化してきたわけですが、今の時代はどうでしょうか。

産業革命の時に、財務会計と管理会計は大きく発展しました。
では、このIT革命の時代に会計は大きく変わったかというと僕が思うに、会計はまだ今の時代に追い付けていません。

ちょっと僕なりの持論を展開してみます。

今までの会計の原則は取得価額(原価)主義でした。
コストの計算が主目的だったため、貸借対照表に載せる金額もコストに準じた原価での計上となっていました。

でも、最近の会計は、リターン(時価)主義に変わってきています。コストよりもリターンが重要になっているため、時価主義によって計上されるようになりました。

企業買収を例に考えると、原価主義で考えれば純資産額が会社の売買価格になるわけですが、実際は将来性に賭けて将来の利益を買うわけなので純資産額以上の金額で会社を買うことになります。
その差額はのれんとして計上されます。日本の会計基準では20年以内の期間で償却するという決まりになっていますが、IFRSでは償却は行わないことになっています。

これは正にコストとリターン、原価と時価の視点の違いにあるのだと思います。

ITメガベンチャーが経済をけん引するこの現代。バブルと言ってしまえばそれまでなのですが、世界への影響を見過ごせないところまで来ているのも事実。

今までの企業の成長モデルとITメガベンチャーの成長モデルは大きく違います。

<今までの企業のライフサイクル>

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<ITメガベンチャーのライフサイクル>

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このライフサイクルを見てわかる通り、導入期の業績と将来の成功に因果関係を見出しにくくなっています。

企業価値を算定するにはDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)によって行われますが、そこには人材やノウハウ、ネットワークなど、貸借対照表には載らない無形資産が将来の利益に最も大きな影響を与えます。

つまり、ここからがこのシンポジウムの本題なのですが、人材やノウハウ、ネットワークなど、これらをどうやって会計によって表現するか、つまりはビジネスモデルをどうやって評価するかが、未来の会計のテーマになるのだと思います。

amazonの財務諸表はキャッシュフロー計算書、損益計算書、貸借対照表の順に開示されています。
これはamazonがキャッシュ項目を重視し、ビジネスの真実の価値を表せない損益計算書や貸借対照表の重要性が下がってきていることを意味しているのではないかと私は考えています。

また、これからの経済はコミュニティという言葉がキーワードになると思います。
企業の価値という考え方に加えて、コミュニティにおける個人の価値、コミュニティ自体の価値といったものをどうやって数値化するかも会計に関わる人間の大きな使命の一つだと思います。

「会計は世界の価値交換をよりスムーズに行うためのツール」だと僕は思っています。

会計が現代にもっとフィットすれば、価値交換がもっと頻繁に、適所で行われ、世界を良くすることに繋がると思います。

ということで、これから仲間を集めてこのシンポジウムを実際に開催したいと思います。
もし、この記事を読んで、興味を持ってくれた人がいたら、気軽に連絡を暮れると嬉しいです。
一緒にシンポジウムを開催しましょう!

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