超ショートショート/ 「永遠の命」
時は2030年代。
私は永遠の命を手にいれることができた。
いままで、やりたいことも我慢して、コツコツお金を貯めてきた。
やっと、幸せになれる。死を恐れることはない。
うふふ。
テクノロジーの発展によって、2030年代には、
自分の魂をサイボーグ人間へ移植することができるようになっていた。
死を恐れる必要はない。永遠に生き続けることができる。
私は浮かれた気持ちになった。そして、いままで我慢してきたことをたくさん行った。高級なスポーツカー、世界旅行、そして美女との交際。
これらにかかる多額のお金は、すぐに手に入れる闇金から入手した。
永遠の命を手に入れたのだから、借金の返済はなんとかなる。私の金銭感覚は麻痺していた。
ある日、私の家に闇金の取り立て屋がやってきた。「おい、お前、金を返せよ。返さなくとどうなるかわかっているよな。」
取り立て屋は毎日、私のところにやってきた。
殴られ、蹴られ、首を絞められることもあった。
疲れ果てた私は、無意識に日本のとあるカジノへ
向かっていた。そして、深い地下の闇金屋からお金を借り、全額をカジノのルーレットに突っ込むことにした。
ルーレットの玉が回る。頼む、当たってくれ。
お願いだから。私のこころは興奮と狂乱に支配されていた。
その結果、なんと、大当たりしたのだ。
この大金をもとに闇金からの借金を全額返済し、自由の身になった。
とある日。私は公園で空を見上げていた。
あの空の上には天国があるのかな。
天国へ行きたい。死にたい。。
(了)
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