コンパクトシティとは
公共交通機関または徒歩で移動できる範囲に都市機能をまとめるという構想
〈目次〉
1.コンパクトシティとは?
2.コンパクトシティ推進の背景
3.コンパクトシティが目指すこと
4.コンパクトシティのメリット
5.コンパクトシティのデメリット
6. まとめ
1.コンパクトシティとは?
コンパクトシティとは、住まい・交通・公共サービス・商業施設などの生活機能をコンパクトに集約し、効率化した都市のこと、または、その政策のことです。
基本的には、脱車社会を目指して、公共交通機関または徒歩で移動できる範囲に都市機能をまとめるという構想です。
2.コンパクトシティ推進の背景
日本で、コンパクトシティ構想が活発になったのは、高齢化と人口減少時代に突入し、都市のあり方を見直す必要がでてきたためです。
これまで都市部では、居住コストの安い郊外に人々が移り、市街地が分散していきました。また、そのことによって、都市部の居住人口が減少し、都市部によっては空洞化することも社会問題となっています。
また、人口減少が進むと、中心部が過疎化するだけではなく、行政コストも増加します。市街地が分散していると、公共設備投資を効率的に行えないためです。
このことによって、将来的に公共サービスが地域全体に行き届かなくなってしまう可能性があります。
加えて、高齢化が進むなか、医療福祉機能の適切な配置など、高齢者に最適化したまちづくりが求められています。
3.コンパクトシティが目指すこと
そこで、このような問題に対処し、人口減少時代において、持続可能な都市社会を作るための具体策がコンパクトシティです。
コンパクトシティでは、都市の生活機能、行政サービスを公共交通の駅周辺などに集約しつつ、居住地域と都市機能をそれぞれ適切に配置します。
そして、それらを公共交通で繋ぐことで、生活に必要なすべての機能がコンパクトにまとまったまちづくりを行います。
コンパクトシティがうまく機能すれば、住民の生活利便性が向上するだけでなく、財政、自然環境、防災の面でも持続可能なまちづくりを行うことが期待できます。
4.コンパクトシティのメリット
コンパクトシティには、具体的に以下のようなメリットがあげられています。
・交通アクセスの最適化・生活の利便性向上
・地域経済の活性化
・行政コストの削減と自治体のサービス向上
・CO2排出削減、地球環境への負荷軽減
・高齢者および子育て世帯の生活環境向上
・防災対策の最適化
5.コンパクトシティのデメリット
反対にデメリットとして考えられるのは以下のようなことがあげられています。
・人口密集によるプライバシー侵害や近隣トラブ
ルの増加
・一部の人にとって家賃や食費などの生活コスト
が増加する恐れ
・災害が起きた際の被害拡大
・農業離れによる食糧自給率の低下
6.まとめ
コンパクトシティがうまく機能すれば、人、環境、経済に寄り添った持続可能なかたちで都市を発展させられます。
しかし、まちづくりは多面的で複雑なため、実際に進めると、計画通りの成果が得られないことも多いです。
また開発コストなどが膨らみ、コンパクトシティ政策がかえって自治体の経済を圧迫してしまうことも考えられます。
コンパクトシティをうまく機能させるには、多面的に都市のあり方をとらえ、政策を進めていくことが必要と思われます。
以上
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