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メタバース×AIの可能性


今日においてメタバースのブームは一時期に比べてやや静まっているように思えます。

その一方で、メタバースにAIをかけあわることでメタバースが新たな段階へ進む可能性が注目されています。

そこで、今回は、メタバース×AIの可能性について、説明します。


〈目次〉
1.メタバースの現状
2.メタバースが抱えている課題
3.AIがメタバースにもたらすこと
4.まとめ

1.メタバースの現状
実はメタバースの市場規模は年々拡大している。

総務省が公表している「情報通信白書」によれば、メタバースの世界市場は、2021年には4兆2640億円であったが、2030年には78兆8,705億円まで拡大すると言われている。

また、最近では、Appleが自社初のVRゴーグルを発表した。 


2.メタバースが抱えている課題
メタバースへの注目度はあるものの課題が指摘されている。

①開発コストの高さ
一般的にメタバースのサービス開発は、ソフトウェア開発よりもコストがかかると言われている。

3D空間を作成するのには時間がかかるうえ、VRゴーグルなどの機材も用意する必要がある。時間の面でも費用の面でもコストが大きくかかるため、参入のハードルが高い。

②求められる技術の専門性の高さ
開発に求められる知識も専門性が高いと言われている。

メタバース空間を構築する場合、Unreal EngineやUnityなどのゲームエンジンを用いるほか、3DCG作成のためにMayaやBlenderといったソフトなども使うことになる。

これらのソフトを使いこなすにはある程度の知識とスキルが必要になる。そのため即戦力となる人材が限られている。

また、メタバース開発を一から学ぶ場合は、学習に時間とコストがかかってしまう。

3.AIがメタバースにもたらすこと
こういったメタバースが抱えている問題を解消する手段として、AIに注目が集まっている。

①AIによるハイクオリティなコンテンツの制作
AIはコンテンツ制作において役立つ

メタバース開発においては、3D空間の制作やオブジェクトの作成などをする必要があり、開発に膨大な時間がかかっていた。  

しかし、最近は、コンテンツ制作の一部を補助してくれるAIを提供するサービスなどがリリースされており、AIをうまく活用できれば制作にかかる時間を短縮できる。

また、アバター制作においては、自分に似たアバターや自分が望むデザインのアバター制作をAIに任せることも可能になった。 

AIがアバターを制作してくれるようになれば、自身でデザインができない人でも、クオリティの高いアバターを作れるようになった。
そのことにより、多くの人がコンテンツ制作に携われるようになる見通しがついてきた。

②AI音声対話アバターを使った接客
1つ目は顧客対応における活用である。

メタバース空間で接客をする場合も、店舗同様に対応する人が必要で人件費もかかる。AI音声対話機能を備えたアバターをメタバース空間のショップに配置すれば、24時間365日、年中無休で顧客対応をしてくれるようになる。

また、顧客対応の一部をAIアバターに任せれば、より少ない人数で接客できるようになるため、人件費の削減が見込まれる。 

③システムの効率改善提案
工場の業務効率改善に、AIを活用しようという動きも見られている。

具体的には、メタバース内にデジタルツインの工場を作成し、工場の情報をAIが分析して効率改善策を提案することなどが想定されている。

実例として、ドイツのメルセデス・ベンツ社は、半導体メーカーNVIDIAのオープン3D開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse※」を活用し、工場のデジタルツインを作成するシステムを構築している。

※ NVIDIA Omniverse
メタバース アプリケーションを作成および運用 するためのプラットフォーム。 

4.まとめ
メタバースが抱えている課題の解決手段として、AIが注目されてきている。
ただし、メタバースもAIも発展途上の技術であるため、今後も両方の技術について、相乗的な角度から注視していきたい。


以上



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