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【企業分析】 「成城石井」の経営戦略


スーパー業界の中、「株式会社 ローソン」の連結子会社の「株式会社 成城石井」が急成長中で注目を集めている。

なぜ急成長しているのだろうか?急成長の秘訣は?

そこで、今回、この成城石井について企業分析を行ってみることにした。

〈目次〉
1.基本情報
2.事業戦略
3.出店戦略
4.商品戦略 
5.総括(成城石井の強み)
①こだわりぬいた差別化戦略
②ファンベースマーケティングに成功
③多様な店舗形態による店舗数の拡大
④店舗の投資効率を重視


1.基本情報
社名 株式会社 成城石井
代表者  代表取締役社長 後藤 勝基

創業 1927年2月
資本金 1億円

従業員数 8,429名(内 社員1,323名)
※2024年4月1日現在

資本関係  株式会社ローソンの連結子会社

事業内容
スーパーマーケット、輸入、卸売販売、食品製造、飲食店

業績 2024年2月期
売上高  112,544百万円
営業利益 12,247百万円
営業利益率 10.8%


所在地  成城石井 本社
〒220-0004
神奈川県横浜市西区北幸二丁目9番30号
横浜西口加藤ビル5階


2.事業戦略
■基本戦略の指針

商品、店舗、人材の力で持続的成長の実現する。魅力的な商品を、魅力的な店で、魅力的な人材が販売する。

成城石井の基本戦略は「商品が生み出される全てのプロセスにこだわり、その結果開発された商品を提供することでお客様に喜んでいただくこと」だ。一般的なスーパーの低価格化路線とは一線を画している。

企画レベルから商品開発を主導して、「魅力的な商品」を、「地域のニーズにあったワクワクするような店」で、「商品の魅力を熟知した自社従業員」が販売する。

成城石井は、他のスーパーにはない価値を提供しているのである。

言い換えれば、「入口から出口まで」、「事業プロセスのほほ全てを自社が主導している点」に大きな特徴がある。


3.出店戦略
多様な店舗形態で出店を加速している。

1997年の駅ビル出店を皮切りに、新たな店舗形態の開発に積極的に取り組んできた。

その結果、現在では路面店、駅ビル、デパ地下、ショッピングセンターテナント、オフィスビル、コンビニ跡地といった多様かつ収益性の高い店舗形態の展開に成功している。

売上面積10坪程度から200坪程度まで、様々な条件での出店が可能になったことは、近年の成城石井の急成長の大きな理由のひとつである。

また、成城石井が出店先を選定する上で、最も重要とする基準は投資効率だ。

店面通行量や競合分析といった一般的なリサーチはもちろん、地域における高所得者層の居住比率も出店基準の目安している。 

また、直営店の割合が大きい。

■2015年~2023年の店舗数推移


4.商品戦略

成城石井のオリジナル商品は、一般的な商品と比較し、他にはない価値を感じさせる。

この「強い商品開発力」の源泉は、原材料・産地・製法・物流の段階にまで自ら踏み込み、主導権を持って商品を開発する点にある。

徹底したこだわりが、魅力的な商品を生み出している。

また、このこだわりは、オリジナル商品以外の取り扱い商品における選定、輸送、製造にもあらわれている。

例えばワインにおける定温輸入や週1回のチーズの空輸、惣菜・ハム・パンなどを自社セントラルキッチンで製造している。

こうしたこだわりを持った商品開拓・商品開発は成城石井のバイヤーが支えている
世界各国・日本全国からの情報収集や商品の調達も、外部卸業者に頼らず自らの手で行っているのだ。


5.総括(成城石井の強み)

①こだわりぬいた差別化戦略
・オリジナル商品(特に惣菜とスイーツ)が美味しい。

・海外の食品(チーズ、ハム、菓子など)が充実している。

・プレミアム感や贅沢感を演出している。

・直営店の割合が大きく、店舗運営に一貫性を持たせている。

オリジナル商品の例 チーズケーキ

②ファンベースマーケティングに成功
・成城石井で買い物をして食べる。このことを日常の生活に組み入れている顧客層が多い。ファンベースマーケティングに成功している。

③多様な店舗形態による店舗数の拡大
・店舗数の拡大によって売上高が伸びている。

④店舗の投資効率を重視
・店舗の立地について、投資効率を追求している。このことで、高い利益率を達成している。


参照元: 「成城石井 公式ホームページ」、「PRESIDENT Online」

以上

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