住宅団地/ 注目度アップ中
団地をリノベーションして様変わり!
建物の老朽化、住む人の高齢化でかつての活力を失った大規模な住宅団地。
空室が目立ち、商店街や買い物施設、飲食施設などが次々と閉鎖され、シャッター街となっている団地も増えてます。
それが、いま、各種のリノベーションによって様変わりし、特に若い人たちの間で評判になり、注目度が高まっています。
〈目次〉
1.かつての団地は、都会のなかの過疎地に
2.いま、団地のポテンシャルが見直されている
3.団地の注目度は多くの世代に広がっている
1.かつての団地は、都会のなかの過疎地に
1950年代から1960年代にかけて、ほとんど木造の戸建て住宅中心だった。
当時は住宅難の時代であり、狭い住宅が多く、各種設備も旧式のものがほとんどの貧しい住まいだった。
そこに、鉄筋コンクリート造で、システムキッチンや水洗トイレなど、当時としては先進的な設備を採用した大規模な住宅団地が登場し、急速に人気を集めました。
団地は、全体の敷地が広く、建物と建物の間に公園や植栽などが設けられました。
また、当時としてはゆとりある空間が造られていたことが人気に拍車をかけました。
物件によっては応募の度に何倍もの希望者が集まり、なかなか入居できない団地もありました。
それが長い年月の間に、外観は古くさくなり、ひび割れなどの老朽化が目立つ建物が増えてきました。
住む人も高齢化し、エレベーターのない団地がほとんどなので、足腰が弱くなった高齢者は次々と団地を離れていきました。
若者たちも進学や就職、結婚などで団地を出て行き、人口が減少、団地内の買い物施設や飲食店なども閉鎖や退去が続き、すっかりさびれた団地が目立つようになってきました。
かつて多くの人が憧れた団地の面影は失われ、住まいとしてほとんど顧みられなくなってしまいました。団地の多くは活気にあふれていたのでふが、過疎地化してしまったのです。
2.いま、団地のポテンシャルが見直されている
それがいま特に、若い世代の間で団地住まいが注目されるようになっているます。
その最大の要因は、団地の持つポテンシャルを活用して、潜在力を引き出すリノベーションによるところが大きいです。
居住部分の専用部は間仕切りや壁紙、古くさい設備などを取り除いて、いったんスケルトン状態にしてから、今風のおしゃれな間取りにして、最新の設備を導入した住宅が増えています。
この動きに大きく貢献したのが、MUJI×URの団地リノベーションプロジェクトといわれています。
木造住宅や住設機器、雑貨などを扱う無印良品は、若い世代から高い支持を集めています。
その無印良品が、UR都市再生機構とタッグを組んで、賃貸部分の居室のリノベーションに取り組んでいます。
2012年からスタートし、2022年末までに全国の61団地で、1200戸以上のリノベーションを手がけてきました。
写真にあるような無印らしいシンプルでおしゃれなプラン、インテリアになり、高い人気を集めています。
こうした居住部分のリノベーションにとどまらず、無印良品では団地全体の丸ごとリノベーションにも取り組んでいます。
また、2021年から千葉県千葉市の花見川団地の商店街リノベーションに取り組み始めていて、間もなく完成する予定です。
地元関係者は、「団地の活性化に貢献するのではないか」と期待を高めています。
無印良品では、花見川団地のほか首都圏や近畿圏の4団地で、団地丸ごとリノベーションをスタートさせていて、団地の注目度が更に高まりそうです。
UR×無印によるプロジェクト以外にも団地リノベーションの動きがあります。
たとえば、三重県四日市市の「ビレッジハウス笹川」は、総敷地面積15万㎡、61棟1726戸の大規模団地「笹川団地」をリノベーションしたものです。
笹川団地は築53年が経過して、外観には汚れが目立ち、居室も古くなっていました。
賃貸住宅の管理会社であるビレッジハウス・マネジメント株式会社がURから居室を買い取り、リノベーションを施した上で自社管理の賃貸物件としたのです。
3.団地の注目度は多くの世代に広がっている
築40年、50年と経過した団地は、そのまま放置すると老朽化が進んでしまいます。住民の高齢化も進み、街の活力も失われてしまいます。
これらの団地の共用部、専用部をリノベーションすることで、新たな形で再生することで、人々がまた集まり、街としての魅力が育まれます。
もともとの団地の存在を知らなかった若い世代にとっては、リノベーションした新しい団地に特別な気持ちを感じさせるのでしょう。
近年は若い世代だけではなく、多くの世代がリノベーションした新しい団地に関心を持ち、注目度が増しています。
参照元:「ダイヤモンド 不動産研究所」Webページ
以上
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