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【解説】 現代における「地政学」と「地政学リスク」について



〈目次〉
1.地政学とは 
2.地政学リスクとは
3.地政学リスクの分類と課題

1.地政学とは
地政学とは、地理学と政治学を合わせた用語で、国の地理的な条件をもとに、政治的、社会的、軍事的な影響を研究する学問における研究分野を指す。

2.地政学リスクとは
そして、地政学リスクとは、地政学におけるリスクを指し、地理的な位置関係によって、ある特定の地域が、政治的・社会的・軍事的な緊張が高まるリスクを意味する。


3.地政学リスクの分類と課題
地政学リスクは、「国内・国家間の紛争」、「テロ」、「クーデター」、「抗議デモ」などに分類できる。

最近の国際問題で例示すれば、ウクライナ危機や北朝鮮のミサイル発射は「国内・国家間の紛争」に、UAEへのミサイル発射やイスラム国などは「テロ」に該当する。

海外進出企業は各種のリスクに関する対策のアップデートを行っていく必要がある。

しかし先述した、「国内・国家間の紛争」と「テロ」および「クーデター」は、地政学リスクに分類されるリスクではあるものの、「予見可能性」という部分では大きく異なる。

まず、「国内・国家間の紛争」だが、「テロ」および「クーデター」とは違って、事前に対立国同士からさまざまな政治メッセージが発信される。さらにそれを各国メディアが日々報道する。

紛争 写真(一例)


したがって、現地に事業展開する日本企業としても、国家間紛争に関しては、事前に情報を収集、分析、共有し、それに基づいてある場所を退避するなど、完全ではないにせよ、危機管理の対策を講じることができる

※今回のウクライナ紛争は国家間紛争に分類することができますが、各専門家によってロシアが実際に侵攻するか否かの意見が分かれいたことから、国家間紛争であっても、その前兆を把握することは難しいケースもある。

しかし、テロやクーデターの場合、しかもそれが大規模テロだと、それが発生することによって、国際空港や主要駅などが閉鎖され、さらに非常事態制限が発令されると外出も困難になる。

また、サイバーテロが発生すると、インターネットが遮断されたり、銀行のATMからお金が下ろせなくなるなど、社会インフラが麻痺することもあり得る。

サイバーテロ イメージ

テロとクーデターは、国家紛争と比較した場合、予見することが非常に困難である。

情報機関やテロ専門家などの世界では、事前にテロ情勢を懸念するレポートやインテリジェンスが共有されることもある。

しかしながら、それらの情報が必ずしも日本の外務省や現地大使館から各海外進出企業へ発信されるとは限らない。
海外進出企業が事前に情報を入手することはなかなか困難なのが現状である。

テロやクーデターはその規模や内容がさまざまである。2021年に勃発したミャンマーのクーデーターのように、クーデターの発生によって一気に国内の政治状況や治安が悪化することがある。

2021年に勃発したミャンマーのクーデーター
写真(一例)


したがって、テロについては事前の情報収集が困難という前提にもとづき、それでも、いかにして迅速に正確な情報を入手できるか。
海外進出する日本企業にとって、検討すべき大きな課題である。


参照元:「Digima 出島」Webサイト

以上

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