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地方創生/ 関係人口を創出して地域活性化を図る
近年、過疎地域の問題が深刻化しつつある。
対策として、地域の活性化、街づくりの活動、関係人口の創出などが全国的に取り組まれている。
そこで、今回は、関係人口の定義、関係人口の創出にかかわる取り組み(関係人口創出事業・拡大事業等)について解説していく。
〈目次〉
1.関係人口とは?
2.関係人口創出事業・拡大事業とは?
1.関係人口とは?
「関係人口」とは定住している人とは異なる、地域づくりに欠かせない流動的に関わる人達を指す。
関係人口と似ている言葉として、「定住人口」や「交流人口」がある。「定住人口」はその地域に移住した人、「交流人口」は観光を目的に訪れた人などを指し、それぞれ異なる区分となっている。
総務省における関係人口の定義は、
・「行き来する者(風の人)」
・「地域内にルーツがある者(近居・遠居)」
・「何らかの関わりがある者(過去の勤務や居住、滞在等)」
とされている。
つまり、その地域に親族が住んでいる人・仕事で訪れている人・短期滞在している人など、なんらかの理由で継続的または複数回訪れたことがある人を総括して「地域との関りがある関係が強い人=関係人口」とみなしている。
観光で一度だけ訪れたことがあるだけの人は交流人口となるが、何度もリピーターとして訪れている人は関係人口に区分されるなど、地域との関りが密接になると関係人口となる。
観光客の誘致によって交流人口を増やし、地域との触れ合いを通じて愛着を持ってもらうことで、関係人口を創出させる。
関係人口の創出によって、人口減少が進む地域や、高齢化が進む地方の地域活性化の担い手となってもらうための取り組みなども進められている。
関係人口の創出の取り組みは地域の特性によって異なるが、地方創生の一環として行政や民間企業などでもさまざまな試みがなされている。
2.関係人口創出事業・拡大事業とは?
総務省の主導のもと、地方における地域の担い手を獲得する施策として、「関係人口創出・拡大事業」が進められている。
現在、関係人口創出・拡大事業の取り組みは多様化している。
例えば、
・農業や観光などの地域資源を活用した取り組み
・学生による地域情報の発信活動
・お祭りやイベントの企画・運営などの地域おこし
・子育て支援や高齢者福祉などの地域コミュニティの構築
など、さまざまな活動があげられる。
関係人口創出・拡大事業は、マーケティング活動と似ているところがある。
まず、各地域の特性を理解することが重要である。
その上で
・地域が認知されること
↓
・関係人口の獲得
↓
・地域のファンになってもらうためのアフターフォロー
といったように、さまざまな活動が考えられる。短期・中長期的な視点。両方の視点でのアプローチが必要と思われる。
参照元: 「自治体・公共Week」Webサイト
以上