見出し画像

おすすめの一冊/ 沢木耕太郎 「凍」 ノンフィクション

人生を山にかけるクライマー 山野井泰史・妙子夫妻の生き様




新潮社


■著者

沢木耕太郎(サワキ・コウタロウ)

■著者 プロフィール 出所: 新潮社Webサイト
1947年、東京生れ。横浜国大卒業。『若き実力者たち』でルポライターとしてデビューし、1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、1985年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。

1986年から刊行が始まった『深夜特急』三部作では、1993年、JTB紀行文学賞を受賞した。ノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表、2000年には初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。

2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を、2014年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を、2023年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞。ノンフィクション分野の作品の集大成として「沢木耕太郎ノンフィクション」が刊行されている。

沢木耕太郎(サワキ・コウタロウ)


■メイン ストーリー
山野井泰史は、9つ年上の妙子と奥多摩の自宅で慎ましい生活をしている。
二人とも登山家で、優れた技術とカンを備えていた。

とくに妙子は実務能力も兼ね備えており、英語の書面で入山許可を申請したり、登山に必要な諸経費を計算するなど几帳面に雑務をこなした。

そんな妙子は、ヒマラヤ・マカルーに挑戦した際、重度の凍傷を負ってしまい、手の指を第二関節から十本失い、足の指は二本残して八本すべてを失っていた。

さらには、鼻の頭も失ったのだが、後に移植手術を受け、なんとか一部の復元に成功した。
それでも妙子は登ることを辞めない。

その妙子をパートナーに、山野井泰史はいよいよ夢にまで見たギャチュンカン峰を目指すことになった。

ギャチュンカンに登頂するためには、六千メートル級の無名の山で、高度順化していく必要がある。

ところが妙子は順化の早い方ではない。
今回の妙子の体調はあまりに悪すぎた。
頭痛に吐き気が加わり、体が思うように動かない。

その上、耳鳴りやめまいも出始めた。
妙子はムリをして夫の足手まといになるような素人クライマーではなかった。
だが山野井がソロで登るとなれば、それはそれで全く違う危険が伴うのである。

そんな中、妙子の体調が回復したこともあり、ギャチュンカン峰へのアタックに踏み切ることとなる。

二人は、固い雪や氷の表面に鋭利な刃を叩き込み、アイゼンをつけた靴を蹴り込み、尺取り虫のように少しずつ登っていくのだった。

ギャチュンカン

■ギャチュンカン
ギャチュンカンは、ネパールとチベットにまたがり、ヒマラヤ山脈のエベレストとチョ・オユーとの間にある山。標高は7,952m。8000m以下の山の中では最も高い。


参照元: 「楽天ブログ 読書案内」Webサイト

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?