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解説/ 「北極」と「南極」の違いについて



〈目次〉
1.北極と南極の違い(主な5つの点)
(1)海上に氷が漂っているのが北極、大陸になっているのが南極
(2)寒いのが北極、もっと寒いのが南極
(3)標高がゼロなのが北極、標高が高いのが南

(4)海水が凍ったのが北極、雪が降り積もったのが南極
(5)6月ごろに白夜があるのが北極、12月ごろに白夜があるのが南極
2.北極と南極はほぼ同じ大きさ
3.北極と南極に生息する動植物の違い
(1)北極の場合
(2)南極の場合
4.北極と南極の歴史  
(1)北極の歴史
(2)南極の歴史


1.北極と南極の違い(主な5つの点)

北極・南極とは、地球が自転する軸「地軸」が地表面を通る場所(極地)を指します。地球の北側の極地が北極、南側の極地が南極です。

それぞれの場所がイメージできたところで、北極と南極の違いの内、主な5つの点について、それぞれご説明いたします。


(1)海上に氷が漂っているのが北極、大陸になっているのが南極

北極と南極の大きな違いは、陸地であるかどうかです。地図上では、それぞれ北極「域」、南極「大陸」と記載されています。

つまり、北極は海上に氷が広がっている地域であり、南極は大陸として陸地が広がっている場所になるため、「海上に氷が漂っているのが北極、大陸になっているのが南極」と覚えておくとよいでと思います。


(2)寒いのが北極、もっと寒いのが南極
北極と南極では、気温にも差があります。観測する場所によって気温は異なるものの、それぞれの平均気温は北極が-18℃、南極が-50℃です。

また、地球上で最も低い気温を記録した場所が南極のボストーク基地で、1983年に-89.2℃を記録しています。

どちらも寒さが厳しい地域ですが、北極と南極を比べると、南極の方が寒い地域といえます。

(3)標高がゼロなのが北極、標高が高いのが南極
北極は、大陸ではなく海上に氷が浮かんでいる地域を指すため、標高はありません。

対して南極は、大陸です。南極大陸の上を雪や氷が覆っているため、平均標高は2,200mもあるといわれおり、地球上で一番平均標高が高い大陸です。


(4)海水が凍ったのが北極、雪が降り積もったのが南極
北極と南極では、氷のでき方も異なります。北極の主な氷は海水が凍ってできる「海氷」で、氷の厚みは数メートルほどです。

南極にも海氷はありますが、大陸上に雪が降り積もってできる「氷床」が中心です。氷床の厚みは、2~3千メートルにも及ぶといわれています。


(5)6月ごろに白夜があるのが北極、12月ごろに白夜があるのが南極

北極と南極では、白夜と呼ばれる地球の極地域特有の現象が起こります。

白夜とは、夏至の時期に太陽が地平線上にとどまり、地域によっては一日中太陽が沈まない状態のことです。

そのため、北極では夏至を迎える6月ごろ、南極では12月ごろに白夜になります。  

北極 1シーン


南極 1シーン


2.北極と南極はほぼ同じ大きさ
北極と南極の面積はほぼ同じ大きさです。どちらも約1,400万㎢といわれ、日本と比べると約37倍にもなります。

北極と南極は、世界で一番大きな面積を占める国・ロシアの約1,700万㎢に匹敵するほどの大きさです。


3.北極と南極に生息する動植物の違い
(1)北極の場合
北極の動物は、ほ乳類をはじめ、水生無脊椎動物(背骨のない動物)や鳥類、魚などの動物が厳しい条件下で生息しています。


他の地域に比べると、生育環境の選択肢が限られていることから北極固有の生物がほとんどで、種の総数は少ないのが特徴です。

植物は、バラ科のチョウノスケソウをはじめ、ロッキー山脈やアルプスにも生息するムラサキユキノシタなど、多種多様な生息しています。


(2)南極の場合
南極の動物は、オキアミが食物連鎖の重要な役割を担い、数多くの魚や鳥類、アザラシ、クジラなどが生息しています。

なかでも、南極だけで見られる動物の代表がペンギンです。


ペンギンは、エサの少なさや天敵の存在が理由で赤道を越えられず、多くは南半球にのみ生息しているため、北極では見られません。

植物は、藻類やコケ類、地衣類が中心です。花を咲かせる植物は、ナンキョクコメススキとナンキョクミドリナデシコの2種類のみ確認されています。

北極に比べると気象条件が厳しいため、自生する植物が少ないのが特徴です。 

南極のペンギン 1シーン


4.北極と南極の歴史
(1)北極の歴史

北極に関する歴史は古く、紀元870年のバイキング時代にすでに北極探検をしていたといわれています。

その後、世界中の探検家が北極点到達に挑戦し、1900年以降、複数の人物が北極点に到達したと主張していたそうです。

それでも、実際に北極点に到達したという確証が取れないまま、公式では認められない状態が続いていました。

そんななか、1969年についにイギリスの探検家のウォーリー・ハーバートが徒歩で北極点に到達したと公式に認められました。

1978年4月28日には、日本大学山岳部が日本人で初めて北極点に到達しました。その翌日に、日本の探検家の植村 直己さんが世界で初めて、犬ぞりを使った北極点単独到達を果たしました。


(2)南極の歴史
南極の歴史は北極に比べると新しく、日本がまだ江戸時代だった1820年ごろにイギリス人とアメリカ人、ロシア人の3人が南極大陸を発見したといわれています。

その後、1911年12月にノルウェーの極地探検家のアムンゼンが初めて南極点に到達しました。

同じ時期に日本の白瀬 矗(しらせ のぶ)さんが、日本人として初めて南極探検に挑戦しましたが、アムンゼンが先に南極点に到達したため、白瀬率いる探検隊は南極点到達を断念しました。

そのときに到達した南緯80度5分は「大和雪原(やまとゆきはら)」と名付けられています。

なお、日本で最初に南極点に到達したのは、1968年に村山 雅美(むらやま まさよし)隊長が率いる第9次越冬隊です。


参照元: 「Cruis Guide」Webサイト

以上

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