緑月エイル┃HSP精神障害専門小説イラストアニメーター

【毎日19時頃投稿】 🌟クリエイティブな世界へようこそ🌟 小説で賞頂いています🏅 マンガ・アニメ・小説・楽曲・名言アニメーション🌱 🧠感受性豊かな心で、HSPや発達障がい精神障がいをテーマに創作活動中🎨 🔗【11/30迄】グループメンバー募集中⤵︎ ︎Qへ

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短編小説/うつ病/曇り空の向こう

止まった時計 涼はソファに沈み込んでいた。 部屋の中は薄暗く、カーテンの隙間から漏れるわずかな光が、埃が舞う空気を白く照らしていた。 耳に届く音は、外を通る車のわずかなエンジン音と、自分の呼吸音だけだった。 「何もできない」 その言葉が、頭の中をぐるぐると巡っている。何度も振り払おうとしても、その言葉がすべての行動を阻んでいた。 お風呂に入ろうと思うたびに脚が動かなくなる。 キッチンの流しに積まれた皿を片付けようとするたびに、心の中で「意味がない」という声が

    • 【短編小説/愛着障害/埋まらないピース】

      夜の静寂が、まるで柔らかな闇の毛布のように彼女を包み込んでいた。 遥はベッドに横たわり、手にしたスマホの光がぼんやりと顔を照らしている。 無機質な白い画面の向こう側にいる、顔も名前も曖昧な存在と交わす短い言葉たち。 それはあたかも、空中に散らばった砂のように、どれも手のひらからこぼれ落ちていく感覚だった。 「傷つかない…でも温もりもない。」 そう心の中で呟くと、胸の奥が少し締め付けられるように痛んだ。 マッチングアプリやSNSは、彼女が自分を傷つけないための逃げ

      • 【短編小説/うつ病の私たち/ブルースターズ】

        疲れ果てた朝 その朝も、重たい足を引きずるようにして出勤の支度を整えた。 窓の外に広がる無機質な街並みを眺めながら、心の奥底で「今日もまた始まってしまう」という思いが、何度も渦を巻く。 仕事に身を投じても、常に感じるのは冷たい視線や無言の圧力。デスクに座り、書類に目を落としても、手が震え、文字がぼやけて読めなくなっていく。 静かに吐かれたため息。日常に染み付いた絶望感は、朝の空気の中に溶け込んでいた。 限界を超えた瞬間 ある日、オフィスの片隅で意識を失うように

        • 【短編小説/精神障害の私たち/主人公】

          大勢の中のひとり 玲奈は、まだうすぼんやりとした意識の中で、重たい瞼をゆっくりと開けた。 薄暗い部屋の天井には、かすかな朝の光が揺れている。 手に握っているのは、いつも通りの薬の瓶だった。 それは、彼女の一日の始まりを知らせる合図のようなもの。もう何ヶ月も、この瞬間だけが彼女の生活を支えていた。 「これさえあれば、今日もなんとか生きていける。だけど、なんでこんなに苦しいの?」 玲奈はベッドからゆっくりと体を起こし、薬を飲むための水を口に含んだ。 鏡に映った自分の顔

          【短編小説/パニック障害の女性/追憶】

          第一章: 壊れた心 美咲は薄暗い部屋で静かに座っていた。 窓の外からは夕暮れの光が射し込んでいるが、彼女の心には深い闇が広がっていた。 手元にはかつての職場の同僚たちが笑顔で写っている写真が並んでいる。だが、その笑顔は今となっては遠い過去のもので、美咲の胸を締めつけるだけだった。 「あの頃は、笑えていたのに…」と、彼女は写真を裏返す。 上司からの冷たい言葉が耳に響く。 「お前は無能だ。何も期待できない」その言葉は美咲の自己価値を打ち砕き、深い孤独の中に閉じ込めていた

          【短編小説/双極性障害の兄/星】

          第一章: 闇に沈む心と叫び 夜の静寂が家全体を覆い、暗闇の中で陸は一人、窓の外を見つめていた。 星が輝いていたはずの空は、今はただの深い闇が広がっているだけだった。 心の中で何かが音を立てて崩れ落ちるような感覚が、彼の体を締め付ける。 「お兄ちゃん、星を見てごらん。夜が暗くても、星は輝いているよ」 その声が何度も何度も頭の中で響く。妹のあかりが家を出てからというもの、彼の心はずっと暗闇に包まれたままだった。 第二章: 壊れた日常 陸は双極性障害と診断され、躁

          【短編小説/自閉症グレーゾーン/砂時計】

          第一章: 静かに響く違和感 詩織が感じる孤独感は、彼女が物心ついたときから始まっていた。 クラスメイトの中で、何かが違うという感覚がずっとついてまわる。 友達の輪に入ろうとするたび、どうしても会話のリズムが合わない。 その度に、彼女は自分が一歩引いているような感覚を覚えた。 朝、職場に向かうバスの中。 窓から外を眺める詩織は、自分がこの社会にどう溶け込んでいいのかがわからなかった。 バスが停車するたびに人々が乗り込み、笑い声やささやき声が耳に届く。 そのすべ

          【短編小説/自閉症グレーゾーン/砂時計】

          【短編小説/虐待|愛着障害の女性/沈黙の証言】

          第一章: 「沈黙の重さ」 家の中に漂う沈黙は、奈々を押しつぶすようだった。 父の足音が響くたび、空気は張り詰め、家全体が固く閉ざされたかのように感じた。奈々の心の中では、祈りのような声が響いていた。 「お願い、何も起きないで…」そう願うのに、いつも不吉な影が忍び寄ってくる。 その日も、玄関のドアが音を立てて閉まった瞬間、すべてが暗転した。 母は台所で手を止め、肩を震わせながら息を呑む。 奈々は、テーブルの下からその様子を見つめ、胸が締め付けられるのを感じ

          【短編小説/虐待|愛着障害の女性/沈黙の証言】

          【短編小説/統合失調症の母/声なき叫び】

          プロローグ: 「途切れた絆」 夜の静けさを切り裂くように、母の叫び声が響く。 何度も何度も繰り返されるその声は、まるで世界の終わりを告げるかのように、主人公である奈々の耳に突き刺さる。 部屋の隅に座り込み、膝を抱えながら彼女は泣いていた。母の叫びが止むことはない。 幼い頃、母はいつも彼女を守ってくれた。 「お母さんは何があっても味方だからね」と優しく微笑み、額を合わせてくれた記憶が、奈々の心の奥底に深く刻まれている。 それは、幼少期の一瞬の安らぎであり、母が唯一、彼

          【短編小説/統合失調症の母/声なき叫び】

          【短編小説/自閉症の大人の息子を持つ母/棘】

          プロローグ: 「沈む言葉」 彼女の脳裏には、元夫の言葉が何度も何度も再生される。 「産まなきゃ良かったんだ」 まるで呪いのように、その言葉は、彼女がどれだけ頑張っても覆い隠すことができない心の傷口を開いていく。 でも、彼女には忘れられない瞬間がある。 それは息子が生まれた瞬間、その小さな手で自分の指を握り、かすかに微笑んだように見えた赤ん坊の顔。 その愛らしさは、どんなに過酷な現実が襲いかかっても、彼女を前に進ませる唯一の光だった。 第一章: 「崩れゆく家族」

          【短編小説/自閉症の大人の息子を持つ母/棘】

          【短編小説/双極性障害の男性/一縷】

          プロローグ: 「日常の闇と光」 涼太は、双極性障害と共に10年以上を生きている。 躁と鬱の波に翻弄され、その波の中で生き延びることが彼の日々の目的だった。 かつては希望を抱き、未来に夢を見ていた時期もあったが、今はただ目の前の「今日」を乗り越えるだけで精一杯。 薬に頼り、仮面を被ったような生活を送りながらも、彼は必死に自分自身を見つめ続けていた。 躁状態では全てが輝いて見えるが、その輝きは一時的であり、いつか急降下することを彼は知っていた。 鬱状態が訪れると、

          【短編小説/発達障害の少女たち/とびら】

          プロローグ: 「心の檻」 夜の静寂に包まれた部屋で、美咲はベッドの上に丸まっていた。窓の外から漏れる街灯の光が、彼女の顔に淡く影を落としている。 彼女の胸には、いつもと同じような息苦しさが広がり、心臓の鼓動が耳の奥で響く。何もしていないのに、体が震えて止まらない。 「また、閉じ込められているんだ…自分自身に。」 彼女は、心の中に張り巡らされたガラスの檻から出られずにいた。外の世界は遠くて怖く、触れることができない。 でも、内側からガラスを叩いても、音は反響するだ

          【短編小説/発達障害の少女たち/とびら】

          【短編小説/愛着障害DV虐待/累】

          タイトル: 累第一章: 母の影、私の孤独 私は、母子家庭で育った。 母は毎日夜の街へ出かけ、様々な男を家に連れ帰ってきた。その男たちの間に漂う酒の匂いが、私の胸に鋭く刺さった。 母の機嫌を取るために、私は自分を男に差し出さざるを得なかった。 それが、母の怒りを鎮める唯一の手段だった。 夜が更け、母が酔って帰ってくるたびに、彼女は私を激しく叩いた。 目には涙を浮かべ、嗚咽混じりに私の名前を呼ぶ母の姿が、私の口を閉ざした。 誰にも、何も言えなかった。学校で尋ねられて

          【短編小説/PTSD/東日本大震災/雲海】

          第一章: 崩れゆく音、壊れゆく絆 あの日、世界が音を立てて崩れ落ちた。奏が家族と過ごしていた平凡な夕方は、突然の揺れによって暗転した。 家が揺れ、壁が崩れ、彼女の足元から大地が裂けていく感覚が伝わった。目の前に広がるのは、恐怖と絶望が渦巻く世界だった。 「奏!逃げて!」両親の叫び声が耳にこびりつく。 目の前で崩れ落ちる家の中で、奏は動けなくなった。兄の「奏、生きろ!」という声も、妹を抱きしめる兄の姿も、全てが闇の中に溶け込み、音も形もない虚無に変わっていった。

          【短編小説/HSPの少女/陽炎】

          第一章: 影の中で揺れる心 美咲は、学校の廊下を歩くたびに心臓が締め付けられるような感覚に襲われていた。 教室の扉を開ける瞬間、周りから感じる視線が彼女の心を冷たく刺していく。 クラスメートたちの何気ない一言や視線が、彼女にはまるで刃物のように鋭く感じられ、その度に彼女の心は深い傷を負っていった。 「どうして、こんなに息苦しいの?」美咲は、日々自分の心に問いかけ続けた。クラスメートたちと一緒に笑いたい、普通に過ごしたいという願いがありながらも、彼女の心は常にその願

          【短編小説/ADHD児の母/アオキ】

          プロローグ: 心の中に吹く風 夜の静寂が街を包み、月明かりが薄く差し込む部屋の中で、少年・悠太はベッドに横たわりながら窓の外を吹き抜ける風の音を聞いていた。 その音はまるで、彼の心の中を吹き荒れる感情を映し出しているかのようだった。外の世界はいつも彼にとって速すぎる。 音も色も形も、自分だけがそのリズムに乗り遅れているような感覚に囚われていた。 「なんで僕は、みんなみたいに普通にできないんだろう…」悠太は目を閉じ、心の中で何度もその問いを繰り返した。 だが、その