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I'm repeating in space

もし過去の一日を永遠に繰り返すことになったなら私は2018年の9月26日を永遠に繰り返すだろう。
(私が書いたメモによると)あれから約3120年経った今でもあの日のライブを観てあの日の雨にうたれたいと思うのは本心だ。
あれは世間が平成最後の夏と呼んだ日々のことだった。

本来なら私がこの一日を永遠に繰り返すことになった理由を最初に説明しておくべきなのかもしれないが、それは今回の話とは特に関係の無いことなので、月が地球に近づいたからだとか適当な理由をつけておきたい。

その日の私は一つ年下の私が手に入れたチケットで東京に来た。
素敵な26才を過ごしている私を想像して未来の自分にプレゼントしたのだ。

開演の6時間前に会場に着いた私はこれから起こる奇跡について何も知らずに一人で物販に並び、凍えながら握手し、LPレコードにサインを貰った。Jと会った時の記憶は緊張でほとんど覚えてない。

そして奇跡は起きて重力はなくなった。
止まないはずのメロディはいつの間にか止んで。
止まない雨にうたれながら帰った。

以上が私がこの日を選択した理由の半分の事柄で
もう半分については今後も誰にも語ることは無いだろう。

夢のような一日が終わり私は元の日常に戻った。
それは客観的に見た事実であって、私の心は仕事をしていても、ゲームをしていても、アニメを見ていても何処か上の空だった。

空を見ることが多くなった。

そして月が地球に近づいてきた。

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