【読了】王子はただいま出稼ぎ中 はじまり
しばらく本を読むことが出来ず、レビューが滞っていました。
今回はタイトルの通り「一国の王子が他国に出稼ぎをする」お話です。
まず、主人公であるユーラシア王子について語ることにします。
四人姉がいるフォーレ国の末王子です。
特徴としては、細身の女顔であることです。それもかなり美形。
なろう系のモブが「主人公ツエー」って褒めるほどにこの物語は「王子美しい」「王子可愛い」「王子本当に男ですか?」と作中でよく言われます。で、この王子はそう言われることが大嫌いです。すごくキレます。
容姿と裏腹に、性格は元気で男らしいです。
剣の腕はピカイチで、本気を出したら隣国の闘技場で優勝できるんじゃないってくらいに強いです。
そう、この主人公、身分を隠して隣国の闘技場に参加してるんです。
どうして参加しているかというと――
自国の借金を返済するため!!
フォーレ国は資源が乏しく、主産業が無いため、他国に借金をして国民を支えています。
その額、二十億強。
借金を後世に残したくない、王子・ユートはそれを減らすためにお忍びで”国外”に遠征し、護衛の仕事をしたり、闘技場で賞金を稼いだりという生活をしていました。
ユートには常に銀髪のドジっ子従者イルが付いています。
シリーズを通して、イルが物語の起点になっており……、まあトラブルメーカーですね(笑)
ある日、ユートがいつものように外国の闘技場で戦っていると、謎の黒髪美青年と出会います。
彼はタジェスといい、とても金持ち。
ユートの腕っぷしと美貌に興味を持ち、彼に依頼します。
タジェスの依頼は”兄を暗殺しようとする派閥から自分を守ってほしい”ということ。
タジェスはユートが滞在(出稼ぎ)している国の第三王子で、兄である第一王子を慕っています。
しかし、第一王子の暗殺未遂事件が起こり、兄の命を狙う者がいることが判明。その犯人を捕まえるために動いていたら、今度は自分が命を狙われることになった、だから自分の護衛をして欲しいという経緯です。
ユートの中にも”正義”というものはありますが、この王子――。
”金(報酬)”があれば 何 で も やります。
もちろん、タジェスの依頼も引き受けるわけです。
タジェスの護衛という仕事をしてゆくうちに、ユートは彼に裏切られて自身が第一王子暗殺未遂事件の首謀者だとか冤罪を吹っ掛けられたりするんですが、実は――、という展開と巻末で描かれるユートの”真の力”が解放されるシーンはとても面白かったです。
王国の借金はユートの活躍でどれくらい返済されるのか!?
という物語が全八巻で描かれています。
冒険・ファンタジー・ちょっぴりBL(!?)を味わいたい方は是非、本編を手に取ってご覧ください!!