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【読了】王子はただいま出稼ぎ中 総括

結構前に読んで記憶があいまいなため、全八巻を読んだ総括を書いて行こうと思います。
(二巻は抜かして読んでいるのですがね……)
二巻以降の表紙は↓の通りです。

全八巻(二巻は除く)を読破した私の感想としては、ユート、イル、タジェスの三人を中心にした”出稼ぎ”という名の冒険物語とユートとタジェスとのラブコメが楽しめて良かったです。

最新のものではないのですが、角川ビーンズ文庫で男が主人公のBLチックな物語を読むことがあまりなかったもので、新鮮でした。

今作は主人公兼ヒロインのユートが従者イルを連れて冒険し、そこで得た報酬を借金返済に充てるという事柄が軸になっています。
報酬自体は一巻あたり、何百万単位で得られるのですが、この物語、返済したい額が”国家予算”なので微々たる金額なんですよね。

報酬額に目がくらみ、様々な依頼を受けてきました。
商人の護衛だったり、精霊の国で大冒険したり、宿泊地で演劇に参加したり、金持ちに買われ強制的に従者になったり、タジェスが冤罪で指名手配されるのを助けたり、黒幕を見つけるついでに国家の危機を救ったり……、様々な物語を展開してゆきます。

基本三人で冒険するのですが、巻ごとに登場するキーキャラクターが個性的でそれも魅力的です。

ぽっちゃりな商人のケヴィンとか、盗賊のカーマイクルと不思議な少年キースとか、色々です。
ゲストキャラなのですが、巻数を重ねるごとに再登場したりして、あ、このキャラはあの時の!!みたいなワクワク感がありました。

特にケヴィンの再登場シーンは一番驚きましたね。
しかも、タジェスとユートを取り合うとは……。お前らユート好きやなってくすっとしながら読んでいました。

あと、ユートの女装シーンも見物です。
必ずと言っていいほど女装シーン出てきます。
身体の線が細く、女物の洋服を着てもちゃんと女の子になれるし、下手な女性よりも美人とかいう。
その目を惹く容姿のおかげで、演劇の姫役になったり、金持ちに買われて女装を強要されたり、もうすごいです。

個性的なキャラクターと”出稼ぎ”をしてゆくユートですが、物語後半でタジェスに痛い所を突かれます。

「出稼ぎをつづけても、借金がほんの少し減るだけ。国家の借金を本当に減らしたいと考えるなら、出稼ぎを辞めて王子としての責務を果たすべき」と。

このタジェスの発言で大喧嘩になるわけですが、物語の目的が”出稼ぎ”から”借金返済”に変わる大きな起点になります。
また、今後借金を造らないように、ユートは自国に新しい産業をもたらそうと奮闘します。

まあ、最終巻で巨額の借金が一気に返済されるわけですが、どうやって返済したのかはご自身の目でご確認ください。

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