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【読了】リリー骨董店の白雪姫・はじまり

今回はこちらのシリーズを読破したので、レビュー書きます。


文庫本の価格については……、絶版しているのか価格が微妙です。
刊行が2013年の本なので仕方ないのかもしれないです。
私は2024年に読んでいるので楽しんで読めたのですが、当時は『伯爵と妖精』という大人気ラノベが刊行されており、そちらと似ているというレビューが多かったですね。
私は途中でリタイアした人なのですが……、言われてみればそうかもと思いました。

『下賀茂アンティーク』シリーズや『契約結婚はじめました』シリーズとオレンジ文庫で人気なシリーズを書かれていた方ですね。
最近では……、アニメ化にもなった『後宮の烏』シリーズでしょうか。

話を戻しまして……、レビューを書きます。
主人公はクレア。マーチ伯爵家の次期当主です。
白い髪が特徴的な女の子で、物語当初は「老婆」だと陰で言われており、当人もそれを気にしていました。しかし、クレアを慕う人は「白雪姫」と呼んでいます。
髪色の他にクレアの印象を悪くするのは、マーチ伯爵家という家柄です。
マーチ伯爵家は300年前、アンという女主人がおり、彼女はエリザベス王女に送られた宝石の呪いを解いて見せたのですが、その代償に宝石にかけられていた呪いがマーチ伯爵家にふりかかります。
その呪いは”最愛の人を失う”というものです。
効果は絶大で、アンの両親はマーチ伯爵家の当主になった途端、馬車の事故で亡くなっています。先祖も不吉な事故に巻き込まれています。
呪いの宝石は”レディ・アン・ジュエル”と呼ばれ、マーチ伯爵家の当主が代々持っており、クレアが所持しています。

クレアはジュエリーの声を聞くことができる特殊体質で、レディ・アン・ジュエルが呟く『エデン・ブルーを探して』と言葉を聞き、エデン・ブルーこそが一家の呪いを解くカギになるのではないかと考えるようになります。

考えた末、クレアは実家を離れ、ロンドンにアンティークジュエリーの店を持ちます。エデン・ブルーの所在を突き止めるためです。

クレアが経営するアンティークジュエリー店を訪れたのは、宝石商のオーナー、ジェレミーです。
ジェレミーはクレアに「ラプンツェル・ダイアモンドの鑑定をしてほしい」と依頼します。
ジェレミーが所持しているラプンツェル・ダイアモンドが偽物だと難癖をつける貴族がおり、鑑定会をしようとなったそう。
クレアは女慣れしているジェレミーの態度に狼狽えながらも、依頼を許諾し事件に巻き込まれてゆきます。

物語が進んでゆくうちに本物偽物問題のナゾや、ラプンツェル・ダイアモンドに関わる過去が明らかになってきて――、といった展開です。

……確かに、『伯爵と妖精』と内容が似てなくもないですね。
パクリとまではいかないんですけど、やっていることや主人公の能力が似ていること、後はジェレミーの性格でしょうね。既視感があるのはそれな気がします。
クレアの兄、セドリックのような性格であればとやかく言われなかった気がする。

読んでよかったところは、描写一つ一つが丁寧で、時代沿った設定で、宝石一つ一つの物語をしっかり描いていたところですね。
また、老婆のような髪色だと嘆いていたクレアをジェレミーが「綺麗な髪色」と言い、リボンや髪飾りをプレゼントしてゆき、次第に白髪に自信を持ってゆくところが好きでした。

他のシリーズを読んでいたので分かっているのですが、物に込められた人間ドラマを描いて行くのが白川さんの強みですね。
クレアとジェレミーの恋の行方は!?
クレアはエデン・ブルーを見つけ、レディ・アン・ジュエルの呪いを解くことができるのか!?

続きは手に取ってご覧ください!!


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