優先証券について個人的まとめ その1

CoCo債について調べていたところ優先証券というものが出てきました。ピムコのハイブリッド証券投信の構成銘柄です。他にも具体的な商品としては、下記のようなものがあります。

2866 グローバルX 米国優先証券 ETF 米国上場だったらPFFDです。

欧州の金融機関はCoCo債を発行して資本を調達し、米銀は優先証券を発行して資本を調達するということは、CoCo債について調べたときに知りました。

CoCo債の理解をより深めたいと思い優先証券についても調べたことをまとめておきます。

2866 グローバルX 米国優先証券 ETF(PFFD)構成銘柄

ウェルズ・ファーゴ バンク・オブ・アメリカ シティグループ
ネクステラ・エナジー JPモルガン AT&T キャピタル・ワン・ファイナンシャル ゴールドマン・サックス オールステート U.S.バンコープ モルガン・スタンレー

米国の金融機関大手が名前を連ねている。ネクステラ・エナジー(電力・エネルギーインフラ大手)とAT&T(情報通信・メディア)の名前も見える。

優先証券とは

優先証券とCoCo債を並べて比較しているこのレポートがわかりやすい。

https://www.bluebay.jp/globalassets/japan/20180509_at1-coco_ms_jm.pdf

優先証券の位置づけ

追加的ティア 1(AT1)債(Coco 債)と優先証券は共に規制上、銀行
資本でのティア 1 資本に位置付けられます

米国では、ハイブリッド型証券は会計上株式として取り扱い….優先証券にトリガーを設ける必要があるという規制要件はない

米国にせよ欧州にせよ、ハイブリッド型証券のリスクは、規制当局による介入または銀行破たんのリスクであり、これは事前に定められたトリガーに抵触するかなり前の段階で起こることであると考えています

クーポンを受け取るのだから、どちらもTier1の債券として考えたほうが良さそうだ。でも米国では法的には株式扱いですよということのようだ。トリガーが無いのも株式っぽい。

コール(償還)の仕組み

CoCo債も優先証券も、一定期間後に償還可能になる。

Coco 債のクーポンは最初のコール日以降、5 年のミッド・スワップ金利+発行時の スプレッドにリセットされる一方で、優先証券は 3 ヶ月 LIBOR 金利+発行時のスプレッドにリセットされる

米国の銀行が持つコール・オプションの 価値の方がかなり高くなっていることを考えると、優先証券の魅力は低下する

CoCo債と比べると優先証券のほうが発行体に有利な条件になっているようだ。上記のレポートはCoCo債推しのレポートで、CoCo債はミスプライスされていてリスクの割には優先証券よりお得ですよということらしい。

まとめ

2866/PFFDはハイブリッド証券のうちの優先証券でTier1資本。ヨーロッパではCoCo債、アメリカでは優先証券を発行して資本調達する。

構成銘柄の大半は米国大手金融機関。利回りはCoCo債のほうが高い。

実際購入しやすい商品としては、優先証券なら2866、CoCo債なら投資信託になるかと思います。2866は信託報酬が0.0275%(CoCo債ファンドは1.5%~2%程度)

※投資はご自分の判断で。筆者は年間20万~30万円ほどしか投資してません。


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