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隠れ家の不良美少女 19 希和の秘密

「友希さん……」
「なんだよ」
「美奈さんから、3ヶ月後にある池袋のコスプレイベントでデビューって言われたんだけど」
「そうなんだ」
「名前を決めた方がいいよね」
「そうだな、普通本名ではやらないよな」
「本名?」希和の目が明後日の方を向く。
変な違和感を覚えた。
その後も顔を合わせないようにしている。
何か隠しているな、本名に何かあるのか……。
「お前……免許証見せてみろ」
「えっ!嫌だ!」
「なんか変だな……いいから見せろ」
「いや……」
「じゃあ剣も盾も作ってやらない」
「う……」
仕方無さそうに財布から免許証引っ張り出す。
「…………」
「お前………希和子じゃん」
「えーん……」泣き真似をしている。
「何で隠すんだよ?」
「だって……子がつく名前の人は少ないもん、なんか古いかんじだもん」
「そうかなあ……俺は子が付く名前は好きだけどなあ」
ふと、ある人の事が頭を過る。
「えっ……友希さん子が付くのは好きなの?」
「ああ……好きだなあ」
「じゃあもう隠さない」
「ああ、隠さなくてもいいさ」
「うん」
「希和子か…キワ子……キワコ……キナコ!お前のコスプレネームはキナコでいいじゃん」
「えつ……キナコ?」
「有名なコスプレイヤーのまなこちゃんみたいでいいじゃん」
「キナコか……いいかも、可愛いかも」
「友希さんが考えてくれたからそれにする」ニコニコとこっちを見ている。
変な成り行きだったが、この瞬間にコスプレイヤー『キナコ』が誕生した。

「じゃあ早速剣と盾の材料を買いにホームセンターまで行くか?」
「うん、行く行く!」
「また新くんに軽トラを借りなくちゃあ」
「そうだね、パソコンとか軽トラとかお世話になりっぱなしだね」
「何かお礼をしたいけど……取り敢えず貯めといてもらおう」

二人は天空カフェへ向かった。

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