幼馴染はキュートな吸血鬼 67話 作戦会議
お昼はいつものように校舎の屋上で食べていた。最近はメンバーが増えている。
俺と七香そしてジーナ、穂乃果ちゃんと遥ちゃんもいる。
お昼を食べながら作戦会議のようになっていた。
七香のスマホにメールが来た、確認すると七香は難しい顔になっている。
「浜田先生からメールよ、準備ができたので明日、シモンとオーストラリアへ旅立つそうよ」
「そう、上手く逃げられるといいね」俺は七香を見た。
「問題はその後よ、二人が軍に連絡しなくなるとすぐに調査がくるらしいわ」
「そうですよね…………私にも確認の連絡が来るかもしれません」ジーナが不安そうな表情になる。
「もし軍から連絡があったら、私は順調だし情報員から連絡はないと言って」七香はジーナに諭す。
「大丈夫でしょうか?……………」ジーナはますます不安そうになって行く。
「ラムの私と何かあったかも知れない、そう言って知らないフリをして」
「はい………でも………それでいいんですか?」
「そうしないと、ジーナの身が危険になるから」
「七香先輩…………」ジーナはうつむいて涙ぐんだ。
「俺はどうしたらいいの?」不安になって聞いてみる。
「旭はジーナと仲良くして、もしラミアが来たら『軍の大学に行くのでよろしく』と言ってね」
「え〜!!!そんなこと言って大丈夫なの?」俺も不安顔になる。
「今旭の事を重要な研究材料だと思ってるから、ジーナと仲が良ければ安全だと思うわ」七香は考えている。
「大丈夫ですか七香先輩…………」ジーナは顔を上げて七香を見た。
「私の存在が邪魔なだけだと思うの、だから攻撃してくるのはきっと私一人よ」
「七香ちゃん、私たちも七香ちゃんと戦うわ!」穂乃果ちゃんが拳を振り上げて言った。
「そうよ、私も微力だけど戦うわ」遥ちゃんも大きく頷く。
「みんなありがとう、でも危険だから私一人で大丈夫よ」七香はニッコリ微笑んだ。
「これからどうなるんだろう?…………」俺はボソッと漏らしてしまう。
「旭、しっかりして、あなたがジーナを守るのよ」
「ええ〜!………はい………分かってますよ」俺は唇を噛んだ。
「旭、ゴメンね…………」切ない顔で俺を見ている。
俺は自分がしっかりしないといけない、心から思った。
「ジーナ、きっと大丈夫だよ」ジーナに微笑んだ。
「旭、頑張ってね」七香も微笑んだ。