幼馴染はキュートな吸血鬼 58話 弓道部
私は遥ちゃんと放課後学校の周りや近くのショッピングセンターなどを散策した。
「ねえ、ラミアの情報員はやっぱり浜田先生かなあ……」遥ちゃんが聞いてくる。
「どうかなあ……私東京に帰ってきた時、浜田先生に東京は嫌だって強く洗脳したの、だからきっと戻って来ないと思うんだけど………」
「でも、誰かに洗脳を解かれたかもしれないし」
「そうね、ジーナにさえ名前も場所も教えないのは変よね」
学校に戻ってきたら穂乃果ちゃんが弓道部へ練習に行く所だった。
「穂乃果ちゃん、これから練習?」
「うん、遅くなったから誰もいないと思うけど練習したいから」微笑んだ。
「遥ちゃん、見に行かない?」
「えっ!行ってもいいの?」
「大丈夫よ」穂乃果ちゃんはニッコリ手招きした。
歴史のある学校なので、弓道部の練習場は広い。
遥ちゃんと私はニコニコと穂乃果ちゃんについて行った。
穂乃果ちゃんは着替えると弓を構え矢を放つ。
『シュッ』すごい速さで前方の的に鋭く突き刺さった。
「うわ〜!!!すごい!」遥ちゃんと私は拍手した。
「私もやってみたいなあ〜」遥ちゃんがポツリと漏らす。
「他の人には内緒だけどやってみる?」穂乃果ちゃんは遥ちゃんに弓矢の使い方を説明している。
「それ!」遥ちゃんの放った矢はふわりと弧を描き的にどどかなかった。
「やっぱり無理か………」遥ちゃんは項垂れる。
「七香ちゃん挑戦してみて」穂乃果ちゃんは今度は私に教えてくれた。
「それ!」私は思い切り矢を放つ。
的から少し外れたので矢の先端を少し修正して的のど真ん中に当てる。
「え〜!!!嘘!!何それ!!!」穂乃果ちゃんが引き攣った。
「絶対外れてたよね…………」穂乃果ちゃんは固まっている。
「ゴメンね穂乃果ちゃん、少し修正しちゃった」私は笑った。
「そんな事ができるの?」穂乃果ちゃんは更に固まった。
「今度は穂乃果ちゃんが的を外して放ってみて」
「うん……」穂乃果ちゃんは半信半疑でかなり的から外して矢を放つ。
私は矢の先端に気を送り修正した。
矢は的の中心に刺さった。
「うそ〜…………」穂乃果ちゃんはペタンとその場に座り込んだ。