幼馴染はキュートな吸血鬼 69話 最悪!
ミラナ教官が帰るとジーナは『わ〜!!!最悪!!!』と言ってベッドに倒れ込んでジタバタした。
「ジーナ、大丈夫かい?」俺はジーナの背中をさすってみる。
「旭、私絶対に帰りたくない!………だって帰ったら『ヴェロウス卿のご褒美』が待ってるんでしょう?最悪だわ………」
「ご褒美って何?」
ジーナはムクッと起き上がると唇を尖らせ眉を寄せた。
「多分………ヴェロウス卿の屋敷に呼ばれる…………そして……………」俯いた。
「屋敷に呼ばれるとどうなるの?」
「嫌だよ〜!!!ヴェロウス卿の子供なんて欲しくないもん!」ベッドにうつ伏せてジタバタした。
「………………………」俺は言葉を失う。
「私は旭の子供が欲しいの」ベッドに八つ当たりするようにジタバタした。
「そう言うことなんだ……………」
しばらくジタバタしていたジーナはピタリと動かなくなると「そんな事より七香先輩が」そう言って俺を見た。
「そうだ、明日七香を何処かへ呼び出すんだよね」俺も不安になった。
「旭、私のスマホは何処にかけたか軍に分かるから、旭のスマホで七香先輩に電話して!」
「ああ、分かった」俺は慌てて七香に電話する、そして状況を説明した。
「旭、私に代わって」ジーナがスマホを受け取る。
「七香先輩、ミラナ教官は私よりもパワーも強いし、コントロールもシャープです、だから私も一緒に戦います!」
「そう………相当手強い相手なのね………ジーナちゃんが一緒に戦ったらもうラミアには戻れなくなるわよ、良いの?」
「はい、もう絶対にラミアには、連邦軍には戻りません」ジーナは力強く拳を握り頷いた。
「じゃあ、明日のお昼に作戦を立てましょう」
「はい、それまでも気をつけてください」ジーナは俺にスマホを返した。
「教官と戦うのは結構怖いなあ…………」ジーナは不安そうにしている。
「何か教官の弱点とかないの?」
「教官は私の弱点を知っているわ、でも私は知らないの」
「俺は何かできないのかなあ……………」天井を見上げた。