隠れ家の不良美少女 195 週一配信
週一回放送『キナプリの一緒に食べよう』配信日になりマサキへ来ていた。
奏太くんと未来ちゃんは俺と一緒に先に来て配信の準備をしている。
俺は新くんと武道館の計画書を見ている。
「凄いねえ、とんでもない事になりそうだ」新くんは眉を寄せた。
「俺もここまでやるとは思ってなかったけどね」
「友里香マネージャーさんの手腕だね?」
「そういう事です」俺は頷く。
「キナコちゃんは一体どこまで上り詰めるんだろうね」
「今の所未知数だね」俺は両手を広げギブアップのポーズをした。
「本人は解ってるのかなあ」
「多分解ってないと思うけど」
「分からない方が良いかもね」
「多分…………」二人で頷いた。
匠真くんの運転でプリンちゃんとキャンピングカーが到着した。
友里香さんと希和も乗っている。
「お疲れ様です」友里香さんが深々と頭を下げる。
「お疲れ様です」新くんも深々とお辞儀した。
「友里香さん、武道館は途轍もない計画ですね」新くんは口角を少し上げる。
「マサキ様にスポンサーをお願いした以上恥ずかしく無い物にしたいと思いまして」
「こんなビッグイベントに名前を出して頂いて光栄ですよ」
「ありがとうございます」友里香さんはニッコリ微笑んだ。
希和は少し眠そうにしている。
「おはようございま〜す」
「これだもの」俺は新くんと顔を見合わせて笑った。
「何なの友希さん、新さん」少し口を尖らせた。
「希和ちゃん武道館の計画書は見たのかい?」新くんが確かめる。
「見たけど…………よく分かんない」ゆるい笑顔で笑った。
「大丈夫かい?」新くんが心配そうに聞く。
「うん、ステージでやる事は全部解ってるよ」
「そうなんだ、じゃあ大丈夫だね」新くんは何度も頷いた。
友里香さんは底知れない怖さを持っているが、希和も並外れた感性を持っていると思った。
この二人が手を組んで進むと、そこに新な道ができるような気がした。
希美子さんと美奈さんが到着する。
今回のゲスト、サークル雅の菜々美ちゃんも一緒に来た。
奏太くんはいつものようにプリンちゃん、キナコ、菜々美ちゃんへ段取りを説明している。
「今日はファミリーマーケットさんの特製焼肉弁当です、また匠真くんに運んでもらいますのでよろしくお願いします」
「「「はーい」」」3人は納得して隣の控室へ着替えに向かった。