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Dear slave 親愛なる奴隷様 Loveですぅ! 第78話 Xデー?
朝からザワザワと声が聞こえるので目が覚めてロフトから降りてくる。そいとげと桂さんが帰って来たようだ。
「何で美波がここにいるんだよ!」
「あっ、カズさん、オハヨ」ニコニコしている。
「誰?」佳さんがキョトンとしている。
「あのう、俺がバイクを買ったお店の不良娘で美波って言うんですけど、何でここにいるんだろう?」
茉白ちゃんが事情を話してくれた。
「何だ、そんな事かよ、だったら俺に相談したらよかったじゃん!」
「カズさんに相談事?それは虫にするより頼りないわ」クスクス笑った。
「それはある意味正解かも」佳さんも笑った。
そいとげは苦虫をまとめて噛み潰したような顔をしている。
「そっか〜、じゃあXデーにはならなかったなあ〜!」佳さんが眉を細めた。
「え………やっぱりXデーの予定だったんですか?」美波ちゃんが固まる。
「冗談だよ美波ちゃん」茉白ちゃんが笑った。
「そいとげの方こそXデーだったんじゃないのかよ」僕はニヤニヤ聞いてみる。
「だったらこんな顔はしてないだろう」唇を噛んだ。
「え………カズさんの彼女さんなんですか?確か学年トップの赤松先輩ですよね?」
「佳ちゃんは私のイトコなの」茉白ちゃんは説明している。
「う〜ん………Xデーは失敗に終わったか〜残念!」
午後になり解散することになった。
「茉白ちゃんと佳さんはどうやって帰るんですか?」
「うん、叔父さんが迎えに来てくれて、新幹線の駅まで送ってくれるんだよ」
「そうか、新幹線か………僕も新幹線で来ればよかったなあ………」僕は軽井沢デートを思い出した。
「ダメだよそんなの!叔父さんに茉白の彼氏が来た事がバレるじゃん!」佳さんが睨んだ。
「え………」
「星七君ごめんね、両親には内緒なの、ウチは保守的だから………」
「ゲッ………やっぱり私、二人の邪魔をしたんですか?」美波ちゃんは不安な顔になった。
「そうかもね〜………」佳さんがそっぽを向く。
「佳ちゃん、ダメよからかったら!」佳さんを睨む。
「だってヤホー君は、心の準備をして来たかもしれないじゃん」
僕はリュックの内ポケット中身を思い出して思わず赤くなってしまう。
「ほら〜!ヤホー君が赤くなってる」ウリウリと僕のかたを突っつく。
「いいなあ〜、ヤホーと茉白ちゃんは、いつもラブラブで楽しそうだ………」そいとげは口を尖らせた。
「カズさんはやっぱりモテないんですねえ………悪い人じゃあないんだけどなあ………」
「ウッセーな!不良娘!」
みんな大笑いになった。
「じゃあ帰ろうか、そいとげが前を走ったら真ん中に美波ちゃんを挟んで僕が後ろから走るよ」
「そうだな、そうしよう………そうだ美波、帰りのルートを設定してくれよ」
「もう………何でカズさんはそんなに馬鹿なんですか!」呆れながらナビを設定してくれた。
「じゃあ帰ります!茉白ちゃん、また学校で」僕は手を振った。
3台のバイクは走り出す、それぞれの思いを胸に東京を目指した。
無事に帰りついてリビングへ入ると、琴音さんが寂しそうに佇んでいる。
「どうだったの?楽しかったの?」下唇を出して少しだけ睨んでいる。
「これを確認したいんでしょう?」僕はリュックの内ポケットから出した。
「あっ!使わなかったの?」少し安心したようだ。
僕は美波ちゃんの事などを報告した。
「お疲れさん、星七」そう言って僕のかたを揉んでいる。
僕はその手をそっと包み込んだ。
「ごめんよ、心配させて」
「キスしてくれたら許してあげる」ニッコリ僕の前へ来る。
僕は立ち上がり、ゆっくりと抱きしめてキスをした。
「今夜はピザでも頼もうかな………もし星七が茉白ちゃんと結ばれたらって思うと、ご飯を作る気になれなかったの」恥ずかしそうに漏らした。
「じゃあ僕の原稿料でピザを奢るよ、初めての原稿料だから一緒に食事に行きたいと思ってたんだ」
「え………そんな風に思ってくれてたの?」
「だって、琴音さんのおかげで貰えたお金だよ、当然でしょう」
「やった〜!今夜は最高のピザが食べれそう」キラキラと微笑んだ。