幼馴染はキュートな吸血鬼 55話 ジーナと交際
遥ちゃんと美奈子さんに相談してみる。その結果ラミアの様子を見ることになった。
ラミアの情報員も東京に来ているらしい。ジーナは心細そうにしているようだ。
お昼に校舎の屋上へ来ると先にジーナが待っていた。
「旭センパーイ、七香先輩、ラミアの情報員から連絡があったんです」
「そう、なんて言ってた?」
「七香さんと戦ったかと聞かれました」
「一度だけ軽く戦い、力を見て作戦を立てているって言いました」
「そう……………」七香は考え込んだ。
「でも………………私……旭センパイと付き合っているって、嘘をついてしまいました……」
「え〜!!!俺と付き合ってる事になってるの?」
「はい、そう言わないと直ぐに七香先輩と戦わなければいけなくなってしまうので………」
「そう、でもその後はどうなるのかしら……」七香は心配そうにジーナを見る。
「旭センパイは卒業したら連邦軍の大学に入りそうだって言ってしまいました。そうしたら喜んで軍の大学に入れるように手配しておくって言われました」ジーナは眉を寄せて俯く。
「旭が連邦軍の大学へ?」七香は大きく何度も瞬きした。
「ゴメンなさい……………でも………これで数ヶ月は時間が稼げると思ったので……」
「そうね、時間ができた事はいいかもね、その間に何とか考えましょう」七香は頷く。
「ねえジーナ、情報員はどこにいるの?」
「それが絶対に教えてくれないんです、七香先輩を恐れているみたいなんです」
「そうなの、面倒なことになったわね」七香は唇を噛む。
「どうして?」俺は聞いてみた。
「だって、何処からみてるか解らなかったら、いつも旭はジーナと付き合っているフリをしないといけないでしょう?」
「そうか…………」俺も考え込んだ。
「ゴメンなさい………他に考えが浮かばなくて……」ジーナは泣きそうになっている。
「しばらく旭はジーナと付き合ってるフリをして、私は遥ちゃんと一緒に様子を見るから」
七香はジーナの頭を撫でて優しく言った。
「しばらくは旭の彼女はジーナちゃんよ」
「七香先輩、ゴメンなさい、こんなことになってしまって」ジーナは七香に抱きついて泣いた。