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水の生まれる夜に 107 養子縁組

将輝邸では将暉パパと俺が焼酎を飲んでいた。

「最近パパはボンペリじゃ無くて焼酎のハイボールが多いわね」不思議そうに聞いた。

「ああ、新君の影響でね」

「えっ!そうなんですか?」

「本当は何となく何だけどねえ」将輝パパは笑った。

ミホさんと綾乃もつまみを用意して合流する。

「ねえパパ、託児所の件は上手く進んでるんでしょう?」

「ああ、新君と賢一君が頑張ってくれているからね」

「それが上手く進んだら、いい加減に新さんとの結婚も考えて欲しいんだけど」

「そうだね、ずっと伸び伸びになって悪かったね」

「本当よお、もう忘れられてるんじゃ無いかと思ってたわよ」綾乃ちゃんはふてくされている。

「新くん実は…………」言いにくそうにしている。

「えっ、何ですか?……今更反対とか?」不安そうに聞いた。

「ええ!まさかそんな事無いでしょう?」綾乃が詰め寄る。

「実は……新君に養子に来てほしいと言うのが大方の役員たちの意見でね」

「ああ……なるほど」俺は少し安心した顔になる。

「ええ?そうなの?……私がお嫁に行くんじゃないの?」

将輝パパは渋い顔をした。

「そうですよね、結婚して私の方の身内や親戚が色々と言ってきたら面倒ですよね、うちには強烈な兄嫁もいますし」

「まあ実際の話は、後継者になって欲しい事もあって養子がいいんじゃないかと言うのが役員たちの大まかな意見なんだ、それに新君は評判がいい、綾乃はいい人を見つけて来てくれたと喜ばれているんだよ」

「私の新さんを会社が横取りしようって魂胆ね」綾乃はブスッと眉を寄せた。

「そう言う事じゃあ無いだろう、会社を上げて二人の結婚を祝福しようとしてるんだよ」

俺は何の躊躇もなく「いいですよ、養子で問題ないです」綾乃さんと一緒になれるなら。

綾乃ちゃんは嬉しそうに俺を見た。

「いいのかい、新くん!」

「ええ、もう帰るところは無いと思ってたんで、まあそれでも両親には承諾を取りたいので、その後でも返事はいいですか?」

「もちろんだよ新君」将輝パパは嬉しそうにハイボールを飲み干して、ミホさんにまたおかわりを催促をした。

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