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隠れ家の不良美少女 35 不意と前では…

日曜になり朝からお風呂に入る。
昨日は少しお酒を飲み過ぎたようだ、頭が痛かったが、お風呂でなんとかなったようだ。お風呂からあがると希和が来る。
「友希さんおはよう!」
「元気だなあ……」
俺はコーヒーをいれてミルクを足した。
希和は高卒認定のテキストをだして勉強を始める。
「勉強なら家でやればいいじゃん」
「家でやるのは辛いの!ここでやると楽しいの!」口を尖らせ睨んでいる。
あの注目を浴びた『キナコ』を全く感じさせない日常の希和に戻った。
俺は舞い上がらない希和を見て少しホッとしている。
「友希さん、ここを教えて?」
「いいぞ……これは比率の相互性が必要だから……」

しばらくしてお昼を食べに天空カフェへ向かう。
新くんが相変わらずキーボードをコチコチ叩いている。
「おはよう新くん」
「やあ、友希くん」
「新さん、お疲れ様ですう」
「やあ、希和ちゃんお疲れ」
「池袋は大盛況だったみたいだね」
「はい、無事に終わりました」
「ネットで見たよ、超かわいかったねえ」
「ありがとうございます」
「希和ちゃんもSNSを始めた方がいいんじゃない?」
「そうなんですけど……やり方が全く分かんないです」笑った。
「じゃあ、俺が作ってあげよう、そしてやり方を教えるから続けるといいよ」
「ありがとう新さん」
「作るにあたり画像が欲しいけど、持ってない?」
「私は自分では撮ってないです」
「そうか……」
新くんが俺をチラッと見る。
「少しなら撮ったけど…………」スマホの画像を表示させる。
そこにはレースのマントをフワッと翻し衣装が見えた『キナコ』の姿が写っていた。
「なんだ、良いのがあるじゃん」新君は口角を上げた。
「凄い、友希さん良いところを写してくれたんだね」
「俺は、希和がマントを脱ぐ事を知ってたし、希和のお母さんに決定的瞬間を見せてやりたかったから」
「友希さん、ありがとう、嬉しい」抱きついてきた。
「こら、離れろ人が見てるだろう」
「おや?友希くん人が見てなきゃいいのかい?」新くんが含み笑だ。
「二人っきりなら大丈夫よね」後ろから声がする。
「う……綾乃さん」俺は固まった。
希和は嬉しそうに「じゃあ二人っきりの時にね」ふにゃっとした笑顔を見せる。
俺は思わず寒気がした。

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