隠れ家の不良美少女 202 ダンスリハーサル
翌日ダンススタジオに俺とキナコ、奏太くんと未来ちゃん、友里香さんも来ている。
まなこちゃんとみかりん、プリンちゃんも来ている、武道館のリハーサルだ。
ダンスナンバーの2曲をキナコ・みかりん・まなこで踊りながら歌う。
前もって振り付けの動画を送ってあるので、各自練習している。
3人で合わせて確認するようだ。
プリンちゃんは途中からラップで参加する。
皆んなラフな衣装で体をほぐしていた。
ダンサーで振り付け担当の堀口さんが指導する。
「さあ、みんな一回やってみましょう」
そう言って音楽をかけた。
『ドン♪ズチャ♪・・・・・・』
マイクをもってキナコは歌いながら振り付け通りに踊った。
みかりんとまなこはその両側でピッタリと息を合わせて踊っている。
初めて合わせてダンスだが、かなり揃っていて綺麗だ。
間奏になるとキナコはマイクをマイクスタンドにつけ3人でしっかり踊った。
歌になるとマイクスタンドからマイクを取り、また歌いながら動いている。
2曲目は間奏にラップでプリンちゃんが入ってくる。
3人の前を行ったり来たりしながらラップを披露した。
3曲目はプリンちゃんのラップを中心にキナコとみかりん、まなこがキレの良いダンスを披露した。
最後はキナコとプリンちゃんのラップの掛け合いになっている。
ノリの良いビートがダンススタジオに響き渡る。
そして微妙な調整をしながら何度も繰り返された。
奏太くんはリハーサル風景を録画している、一部はドキュメンタリーに使う予定らしい。
やがて休憩となる。
飲み物が用意されている部屋に皆んな集まった。
「みかりんさん、ダンス上手いね、習ってたの?」まなこちゃんが聞いた。
「少しだけダンススクールに通ってました」
「そう、だから基本ができていて動きが良いのね」まなこちゃんは納得したようだ。
そしてキナコを見ると「ねえ、重大発表ってなに?」上目遣いで聞いた。
「えっ、知らないんですか?」みかりんが驚く。
「みかりんさん知ってるの?」
「はい…………」そう言ってキナコを見た。
「私には教えてくれないの」まなこはちゃん少し不満そうな顔だ。
キナコは少し眉を寄せて考えると、俺をチラッと見る。
俺はコクリと頷いた。
それを確認するとまなこちゃんに話し始める。
「あのう…………私のお父さんはロブスターズのリーダー和也さんなんです、隠していて御免なさい」
「ええ!え〜!そうだったの?」
「はい、私も最近まで知らなかったんですけど」
「どう言うこと?」
「お母さんはずっと話してくれなかったんで」
「そういうことだったんだ」まなこちゃんは何度も頷く。
「みかりんさんは何で知ってたの?」
「えっ?お兄ちゃんから聞いてたから」
「お兄ちゃんって?」
「まなこさん、みかりんさんは友希さんの妹さんなんです」
「えっ!本当に」俺をチラッと見た。
俺はただコクリと頷く。
「そうだったんだ、なるほど」どうやら納得したようだ。
「キナコちゃんの重大発表って言うから、私はてっきり友希さんと結婚かと思ったわよ」笑いながら言った。
「それはキナコちゃんがハタチになってからよね」みかりんがキナコに言った。
「ええ!ウソ………冗談のつもりで言ったのに」驚いて俺を見る。
俺はそっぽを向いて知らないふりをした。
「今日一番驚いたのはその事よ」まなこちゃんは放心状態になっている。
それを見たキナコとみかりんはクスクスと笑った。
休憩が終わりまたリハーサルが始まった。