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dongmu
幼馴染はキュートな吸血鬼 62話 ジーナの誘惑
私は旭の部屋へやってきた。
チャイムを押すと旭が驚いてドアを開けた。
「大丈夫なの七香?」
「ラミアの情報員を見つけて処置してきたからもう大丈夫!」
「そうなんだ、よかったねジーナちゃん」旭はベッドの方を振り向く。
ジーナちゃんは不思議そうな顔をしてベッドから起き上がった。
「何?ジーナちゃん下着姿でベッドにいたの?」私はジロっと旭を睨む。
旭は何度も顔をプルプルと横に振った。
「俺は何にもしてないよ、何にも…………」
「まさか………ジーナちゃんに………子供を作ろうなんて思ったんじゃないでしょうね」
「絶対にそんな事はありません、ねえジーナちゃん、なんとか言ってよ」旭はジーナを見た。
「七香先輩、残念ですけど………誘惑は失敗しました」口を尖らせる。
「あらそう、誘惑はしてたのね」私は呆れて失笑した。
旭は少しホッとした表情になっている。
「ジーナちゃん、そんな事よりお父さんが生きてるかもしれないわよ」
「ええ〜!!!」ベッドから飛び降りて駆け寄ってきた。
「ジーナちゃん、まずは服を着て」ジーナは急いで服を着るとそばに来た。
「噂だけど、ジーナちゃんのお父さんアレクセイさんはオーストラリアにいるかもしれないの」
「本当ですか七香先輩!」
「ラミアの情報員から聞いた話だから多少の信憑性はあると思うわ」
「もし本当だったらいいなあ」遠い目をした。
「ジーナちゃんと対戦した時感じたの、心の中に冷たい感触を、もしかして両親の事がその原因じゃないの?」
「……………ふぇ〜ん…………」ジーナはそのまま泣き崩れた。