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隠れ家の不良美少女 47 またまた企画会議

新くんは希和の歌を動画にして出す事を提案する。
「でも……私あまり自信無いです」希和は不安そうだ。
「レッスンでも受けてみたら」俺は何気なく言った。
「それだ!歌のレッスンを受けようよ希和ちゃん」
「えっ?」
「すぐそばに良い先生が居るじゃん」
「「誰?」」俺と希和は目をパチクリさせる。
「千草さ〜ん」新くんは手を振った。
「千草さんはカフェをやる前は『ちらら』さんって歌手だったんだよ」
「「そうか」」俺と希和は頷く。
「なあに?」千草さんがやって来た。
「実は希和ちゃんが歌う動画を撮ろうと話してたんですけど、本人が自信が無いらしくて、それならレッスンを受けたらって話なんですけど」
千草さんは「なるほど」と頷いた。
「これを見てください」
新くんはさっき録音した希和の歌を再生する。
アナライザーのグラフが表示された。
「おや!倍音が凄いわねえ」千草さんは驚いた。
「でしょう?、俺もビックリしたんですけど」
「良いわよ、レッスンしてあげる」千草さんは微笑んだ。
「ありがとうございます、がんばります」希和は喜んだ。
「ただ……昼間はお店があるから……土曜の夜なら大丈夫だけど……難しいわよね」
「そうですか……」希和は寂しそうな顔になってしまう。
「お母さんに話して許可が降りたら、土曜はガレージハウスに泊まっていいぞ」
「本当!友希さん、お母さんは友希さんの所ならいつでも泊まって良いって言ってるよ」希和は急激に明るくなった。

「ほれ、ガレージハウスの鍵だ」鍵を希和に渡した。
「良かったわねえ希和ちゃん」いつの間にか綾乃さんが後ろにいてピースサインをしている。
「ついに鍵をゲットしたねえ」新くんは含み笑いをした。
「(仮)も外れたんでしょう?」綾乃さんも含み笑いをした。
「いや、そこはまだ(仮)は外れないでしょう」俺は口をへのじにしたが、希和は満面の笑みで俺を見ている。

「じゃあ早速今夜からレッスンする?」千草さんが聞いた。
「はい、宜しくお願いします」希和は喜んだ。
結局希和は土曜の夜お泊まりする事になってしまった。

お昼過ぎに軽トラックを借りて希和の家へ向かう。
希和のお母さんと相談した結果、着替えや布団など必要な物を運ぶ事になったからだ。

「希和が歌を始めるのはびっくりしましたけど、でも良い声なのは分かってたので応援しますよ」希美子さんは少し嬉しそうな表情だ。
帰りの軽トラックで「いよいよ同棲生活だね」希和がニヤけた微笑みを見せる。

夜になって希和の歌のレッスンが始まる。
千草さんのレッスンは厳しかった。
「はい、お腹に空気を貯めて腹式呼吸で……口をしっかり開けて……あえいおう〜」
希和はへろへろになって俺のバイクの後ろにしがみついた。
ガレージハウスへ着くと、希和は少しだけ元気を取り戻す。
「友希さん、レッスンはキツイけど何か嬉しい」
「そうか……」
「今まで本気で頑張る事はあまり無かったから、やっと自分を磨くことができるかも……」
「良かったな」俺は希和の髪を優しく撫でた。

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