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幼馴染はキュートな吸血鬼 105話 膨らむ緊張
私はジーナちゃんや遥ちゃん、穂乃果ちゃんも一緒に診療所へ戻ってきた。
寝ている旭を見て遥ちゃんと穂乃果ちゃんは固まった。
「旭くんどうしたの?」穂乃果ちゃんは旭を覗き込んだ。
「この前ラミアの特殊部隊と戦って旭は怪我をしたの、そして輸血が必要になったの、だから私やジーナそれにルナさんの血を輸血した、そしたら覚醒が始まったみたいなの…………」
「え〜!!!」遥ちゃんは後退りした。
「旭くんはVX1のマイナスでしょう?………と言う事は…………」両手を口に当てて固まる。
「どうなるのか全く分からないの」私は困った顔しかできない。
旭の痙攣は殆ど治まっている。覚醒が上手くいったならもう目覚める頃かも知れない。
「父さん、旭はどうなってるの?」
「分からない、もし本当に覚醒したんだったら目覚める頃だ」
そこへルナさんがやってきた。
「いよいよヴェロウス卿がやって来たわよ」唇を噛んだ。
ジーナちゃんは両手を握り締め少し震えている。
「ヴェロウス卿なんて怖くないわ!」強い眼差しになった。
「七香ちゃん、ジーナちゃん、覚悟は良い?」ルナさんが頷く。
「「はい!」」私とジーナはキャンプへ向かう事になった。
「遥ちゃん、穂乃果ちゃん、絶対にここから出てはダメよ」私は強く言った。
「うん…………」遥ちゃんは頷く。
「父さん、旭をお願いね」そう言ってジーナと診療所を出発する。
キャンプに到着すると皆んなから緊張感がヒシヒシと伝わって来る。
「行くわよ!」ルナさんの一声で袖の浜へ向かって出発だ。
後方支援のラムの人達も武器を持って後ろで待機する事になった。
「いよいよ総力戦ね」ルナさんは唇を噛み締め海の方を見つめる。
美しい真っ赤な夕焼けだ、太陽がゆっくりと海へ沈んだ。
暗くなると只野さんが方向を指さした「向こうから船が来ます、約50名程いるようです」
細い月が彼らをより不気味にさせた。
「迎える体制を整えて!」ルナさんの指示で私とジーナちゃんも体制を整えた。
やがて20名程の特殊部隊が近づいて来る。
その背後には数名にガードされた人物がいる、おそらくヴェロウス卿だと思う。
そして武装した兵士たちが30名程背後に見える。
私は気を集中させ決戦へ備えた。