隠れ家の不良美少女 230 恋人
武道館が終わって数日が経過した。
ウイングの事務所では友里香さんと未来ちゃん菜々美ちゃんが電話の対応に追われている。
キナコやココアちゃんの取材の申し込みやC Mのオファーなど大忙しだ。
俺は奏太くんに後のことをお願いして希和と車で出発した。
目的地は横浜、そう桜の所だ。
流石に燃え尽きた感が否めなかった希和もやっと元気を取り戻した。
「友希さん、希和は桜子さんに何て言ったらいいの?」
「別に何も言わなくて良いと思うよ、ただ祈れば」
「そうだね…………でも、『もう友希さんを帰しません!』って言っちゃいそう」口を尖らせる。
「それでもいいさ、桜は『わかってるよ』と言ってくれると思うよ」
「桜子さん………ゴメンなさい」希和は眉を寄せて申し訳無さそうに呟いた。
お墓参りを済ませた後所沢へと向かった。
「優斗からメールが来て児玉にマスコミがいっぱい来たんだって、でも家が無くなってるから残念そうにみんな帰って行ったらしいよ」
「そうなんだ」俺は少し笑った。
「近所の人たちは希和がキナコだと知って大騒ぎだったらしいよ」
「優斗くんは大丈夫だったか?」
「うん、学校でも何も言われなかったらしいよ、明くんのおかげで」
「そうか、そりゃあよかった」
「天空カフェにもマスコミが来たらしいよ、千草さんからメールが来た」
「そうなんだ、よく見つけてきたね」
「そうだね、しばらくは隠れ家にも行けないかも」
「そうだな…………」
「ねえ友希さん、今夜希和は友希さんの彼女になるんでしょう?」
「まあ………現状既に彼女だと思うけどね」
「希和………やっぱり少し怖いかも…………」
「じゃあ今夜じゃなくて、もっと後にしてもいいぞ」
「それはダメよ、絶対にダメ!」希和は頬を膨らして首を何度も横に振った。
所沢の部屋へ到着する。
希和はソワソワしながら部屋を掃除し始めた。
俺は希和を引き寄せて抱きしめた。
「希和、よくこれまで頑張ったな、偉いぞ俺は希和を尊敬している、だからこれからもずっと一緒にいような」そう言ってキスをした。
「友希さん、希和………希和でいいの?」涙を溜めて俺を見つめた。
「ああ、希和がいい」
二人は長い間キスをした。
しばらくすると希和は嬉しそうに聞いてきた「希和のどこが好き?」
「……………シャープな胸!」
希和は泣きながら笑って俺の上に乗っかり俺の首を絞めた。
俺は力いっぱい希和を抱きしめた。
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『ありがとうございました』