恋するプリンとゆるルン密着旅 45 お尻に敷かれる
お昼すぎてやっと起きる。
売店でお弁当を買うと直ぐに車を走らせ、運転を交代しながらお弁当を食べた。
次の目的地は大久野島だ、リンの希望でウサギとモフモフしたいらしい。
忠海港に車を止め撮影機材を持つとうさぎの餌を買ってフェリーに乗り込む。
島に渡るとたくさんのウサギがいた、リンは餌をやったりしながら動画を撮影した。
「カワイイー!モフモフ」を連発している。
長く居る事はできないので、リンは残念そうな顔をして島を離れ広島市内へと戻ってきた。
夜はまたビジネスホテルに泊まることになり、楽しみにしていたお好み村へ行く。
ビルの中に沢山の屋台がひしめき合っている。
撮影を許可してくれるお店を探して、一軒の屋台に入る。
お好み焼きのモダン焼きや広島かきの鉄板焼きなどを注文した。
ハイボールも頼んで乾杯だ。
「美味しいねえ…………ソースがたまんない……うま!」また意味不明の食レポが始まる。撮影を終わらせると二人でゆっくりと楽しんだ。
「豚キムチ、ゲソ焼き」リンはさらに注文してハイボールもおかわりする。
たっぷりと屋台を楽しんで、ホテルに戻ってきた。
リンはベッドにダイブするとそのまま寝てしまった。
オレはパソコンをバッグから出して編集を始める。
数時間経ってリンが目覚めたのでお風呂に入った。
「タクちゃん編集してたの?」
「ああ…………随分素材が溜まってるからなあ」
「ありがとうね」リンは嬉しそうだ。
「明日は何処へ行きたい?」
「山賊焼とフグ…………」
「なるほど、場所じゃなくて食べたいものなんだ」オレは思わず笑ってしまった。
翌日は岩国の山賊焼を食べに向かう。
途中の国道で、年季の入った軽トラックがノロノロと走っている。
「何だよ、30キロかよ………日が暮れちゃうよ……」
「タクちゃん!そんなこと言うタクちゃんは嫌い!」
「えっ………睨まれて少し怖くなった」
「私が免許を取ったすぐは、遅くていつもクラクション鳴らされたりしたわ、みんなそれぞれに事情があるのよ、私たちは急ぐ必要がないからゆっくりついていきましょう」
「そうだな、リンの言う通りだ」オレは頭をポリポリとかく。
そしてある事に気がついた。オレはリンのことが大好きになっている、そしてそのリンから怒られると凄く怖くなる、不思議な感覚だ。
「なあリン、オレはリンの事が大好きだ、だから世界で一番リンが可愛い、でも世界で一番リンの事が怖い、何でだろう?」
「えっ、どうして?」
「分からないけど………大好きだから………嫌われるのが怖いのかなあ………」
「喧嘩しても嫌いになったりしないよ」
「そうだよなあ………でも、やっぱり怖い………そうだ!きっとこの感覚がお尻に敷かれる原因かも」何となくそんな気がした。
「タクちゃんこれから大変ね、おっぱいで窒息しそうになったり、お尻に敷かれて潰れそうになったりするんだね」リンは嬉しそうに笑っている。
「そうだな………大変だけど、幸せな人生になりそうだ」
「もう契約変更は出来ませんよ」リンはイタズラっぽく笑った。