隠れ家の不良美少女 136 配信内容
俺は高崎の株式会社マサキ本社に来ている。
社内にある新くんのオフィスへ呼ばれたのだ
「いやあ、ごめんねこんな所まで来てもらっちゃって」新くんは申し訳なそうに顎をかいた。
「仕事ですから」俺はニヤけて答えた。
「結婚披露宴の配信は有難うね、きな粉プリンは大反響でさ、問い合わせ殺到だよ」
「それは何よりですね」
「何だよう、そんな他人行儀な言い方は」新くんはペンをくるっと回した。
「仕事を頂いたクライアントですから」
「早速製品は量産に向けて走り出したよ」
「それは何よりですね」俺はわざと大袈裟に畏まった。
新くんは笑い転げた。
「もういいよ友希くん」新くんはお腹を抑えた。
「今日呼ばれたのは例の件でしょう?」
「どうだった?」
「キナコもプリンちゃんも出演OKです」
「さすが友希くん」
「じゃあ週一での配信、是非お願いね」
俺は頷くと計画書を差し出す。
「キナコとプリンの一緒に食べよう!」と言う配信番組を考えてます」
「良いねえそれ」新くんは少年のように目を輝かせた。
「事前に何を食べるか告知しておいて、一緒に夕食を食べる企画です。もちろん最後はきな粉プリンで締め括ります」
「いいねえ、全国のキナコちゃんやプリンちゃんフアンの笑顔が目に浮かぶよ」新くんは力強く頷く。
「コメントに対応して良い質問には回答します、毎回二人のコスプレも見れます、そしてコスプレサークルの子達などもゲストで来てくれます。プリンちゃんはお酒も飲んで良いと思ってます、キナコはノンアルで対応します」
新くんは椅子に座り直した。
「友希くん、凄い企画を考えてくれたね、とんでもいない事になるかもしれないんなあ」
「おそらく…………思った以上の結果が出るんじゃないかと思ってますけど」
新くんは少し眉を寄せて申し訳無さそうな顔をした。
「実は友希くんのプロデューサーとしてのギャラなんだけどさあ……」
「幾らでもいいですよ」
「とりあえず、年間契約で500万から始めさせてもらえないかなあ」
「良いんですか?そんなに払って」
「本来はもっと払わなくちゃあ行けないけど、500万なら俺の独断でいけるんだ、それ以上になると上に許可を取らなくちゃあいけない」
「良いですよ、失業中の身なんで」俺は笑った。
「その代わり自由出勤なんで、好きな時に来てくれれば良いよ」
「良いんですか、そんな甘やかして」
「実績が上がればギャラは上げられるから、初めはそれでお願いしたい、勿論配信の製作費は全く別だからそれは遠慮なく請求して欲しい」
「了解です」俺は敬礼した。
「ごめんね、今の俺に出来るのは、これがMAXなんだ」
「充分だよ新くん、早速準備に取り掛かるよ」
「有難うね友希くん」
新くんはほっとしたように微笑んだ。