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隠れ家の不良美少女 15 コスプレサークルの希和

水曜日に本庄早稲田駅近くの美奈さんの部屋へ来ている、1L DKの綺麗なアパートだ。実家は近くにあるらしいけど、ここはコスプレサークル用の部屋らしい。
コスプレ仲間の詩織《しおり》さんも来ている。二人とは仲良くなっていた。
「ねえ、希和ちゃんはどんなコスプレがいいの?」
「うーん………」
「可愛いから美少女戦士的なのがいいんじゃない?」詩織さんがアドバイスしてくれた。
「そうだねえ………それ系で良いのを考えようよ希和ちゃん」
「はい、よろしくお願いします………でもメイクした事がないんです」
「メイク無しでその可愛さは凄いね」詩織さんがじっと顔を覗き込む。
「でも………」
「どうしたの?」
「友希さんはちっとも可愛いって言ってくれません、座敷童だって言うんですよ」
「そうなの、じゃあもっと可愛くなって好きって言わせちゃえば」美奈さんは笑っている。
「友希さんって希和ちゃんの彼氏?」詩織さんが聞いてきた。
「はい……彼氏(仮)です」
「何?(仮)って」
「まだ認めてもらえないんです」

「友希さんって責任の重たい仕事をしてるから、未成年者と問題があったら会社をクビになるかもね」
美奈さんがポツリと言った。
「そうなんですか?」
「うん、国や新聞社が関わってる大きな東京ドームのイベントをやってるのよ、だから気をつけてあげてね」
「はい………気をつけます」そうなんだ、友希さんが困ることは嫌だと思った。
「そんなに深刻な顔をしなくても大丈夫よ、普通にしてれば良いんだから」美奈さんは微笑んだ。
「はい……」

その後は二人でメイクの仕方を教えてくれた。
「おおっ!超カワイイ!」詩織さんが顔を覗き込む。
「うーん、これはヤバイ可愛さだわ、すぐにファンクラブが出来るかもね」
「そうだねえ、ヤバイね」
二人は感心している。
私は鏡を見た、そこには見た事のない私が不思議そうな顔をして私を見ている。

美奈さんはYouTubeのメイクの動画を見せてくれた。
「メイク動画も参考になるかもよ」
「そうですね、自分でも少しやってみます」
「3ヶ月後に池袋でコスプレイベントがあるから、希和ちゃんをデビューさせようよ」詩織さんが提案した。
「そうだね、それは良いかも」美奈さんも賛成した。
「大丈夫でしょうか私で……」
「「絶対大丈夫!」」二人は大きく頷く。

「じゃあ希和ちゃん、何のコスプレをやるか考えて」
「はい……考えてみます」
私はメイクの落とし方も習った。
その後、二人について来てもらって、ドラッグストアーでメイクに必要なものを買う。
バイクで帰りながら「メイクして綺麗になったら(仮)がなくなるかなあ」と思った。

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