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失敗写真の救済にHDR風処理を使う

風景を撮っていて、空や日差しを一緒に撮ることもありますが、しばしば空が明るすぎてそっちにAEが合ってしまい、町が暗くなることがあります。
それで町に合わせようと露出補正をすれば空が白く飛んでしまってどうにもならなかったり。

普通に撮るとこんな感じになりますね。↓↓
意図によっては失敗ではない場合もありますが、普通に考えるとこれは露出の失敗です。

建物が暗くて見えにくい。雲が白く飛んでしまう。

そこで画像編集アプリ等を使ってHDR風の処理をかけると、こちらのように、見えにくかった部分が浮かび上がって分かりやすくなります。↓↓

建物が明るく見やすくなた。雲はどうでしょう・・

HDRとHDR風

HDRとは High Dynamic Range の略称ですが、露出を変えた写真を何枚か撮って合成する手法です。
例えば上記の風景の場合には・・

  • 明るい空や雲が適正に写るように露出を決めて撮影

  • 陰になった建物の壁などが適正に写るように露出を決めて撮影

  • 全体的にオート露出のレベルで撮影

というように2つ以上の異なる露出で撮影して後で合成すれば、全体がきちんと見える写真が出来上がります。

かつては、三脚で固定して手動または連写でやっていたのですが、最近はデジタルになっていることもあり、HDRモードにしてシャッターを1回切るだけで、自動的に複数枚の画像を撮って合成してくれるようになっています。

上記の写真の場合には HDR風 と書いていますが、これはすでに撮影してしまっている1枚の画像に対して、あたかもHDRをかけたように見える処理をソフトでかける、いわばインスタのフィルタのようなものになります。

HDR風の処理は、潰れそう(飛びそう)になっている部分を無理やり明るく(暗く)しようとするため、ノイズができて写真の美しさが損なわれる欠点はありますが、日ごろ撮影をしていてたまたま露出が失敗したけれど、SNSには載せたいな、もったいないなと思った時に、後から処理がかけられるので非常に便利です。

Google の写真編集アプリ "Snapseed"

ここでHDR風処理をかけるために使用したのは、Googleが提供しているSnapseedというアプリです。Android, iOS 共に対応しています。

以下はAndroid版ですが、立ち上げて「開く」から写真を開いた後で、「ツール」にタッチすると様々な処理のメニューが表示されます。↓↓

Snapseedのツール画面

ここで「HDR風」にタッチすると、以下のような編集画面が出てきます。↓↓

SnapseedのHDR風処理の画面

HDR風処理の種類が「自然」「人物」「弱」「強」とありますが、僕は「人物」が一番自然で嫌味がないように感じるので、大体これにしています。空や雲に関しては「自然」の方がいい場合もありました。

フィルタの強さは、画面上で左右にスワイプすることにより調整できます。
また、調整アイコンにタッチすれば、明るさや鮮やかさなども調整できます。
最後にチェックアイコンにタッチして編集終了。その後、エクスポートで保存します。

積極的な作品づくりに使用する

HDR(風)処理は、失敗の救済だけでなく、積極的な作品づくりにも利用できます。
例えば以下のような街の風景ですが・・↓↓

夕方の街の風景

街の照明の明るさや、建築物の形、雲の状態などを際立たせるためにHDR風処理を使ってみると、以下のようにメリハリのある分かりやすい写真が出来上がります。↓↓

より明るく際立ったイメージの街になった

もっと極端にして別世界を表現することも可能です。

iPhoneのHDR

iPhoneのカメラアプリについているHDRは、シャッターを切った時に複数枚の画像を自動的に生成して合成する、いわゆる「HDR」がついているので、最初から作品づくりとしてHDRを使いたい場合は撮影時に設定すれば、高品質なHDRが得られると思います。

Adobe PS Expess のHDR

PS Expressというアドビの編集アプリにもHDR風処理がかけられるフィルタがあります。Snapseedよりもテイストが分かれた選択があるので、表現の幅は広いと思います。
最終的なイメージを見てどっちのアプリを使うのがいいか考えて使い分けるのもいいですね。写真によってその選択は変わってくると思います。

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