知識をアップデートしよう! - HDRが標準の映像世界へ
最近の・・と言ってももうだいぶ前から、カメラにはHDR機能が付いていますし、画像編集アプリにも写真を合成するHDRや、HDR風と呼ばれる擬似機能が搭載されています。
ちなみに iPhone のカメラでは「自動HDR」が標準(デフォルト)です。
「HDRとは何ぞや?」という方は、ネット上の分かりやすい情報を参照していただくか、文末の参考資料を見てください。
既に動画や映画などの映像の世界ではHDRは当たり前になっているようですが、写真の世界では今だにHDRを「まがいもの」のように捉えている人も多そうです。
特に年寄りは😁新しい情報をインプットして自分の頭をアップデートしましょう。僕も以前は状況をあまり理解していなくて、HDRをネガティブに捉えていました。
HDR画像は非現実的に見えるが実は現実的
HDRは、簡単に言えば画像の白飛びや黒つぶれを抑えてその領域の階調を表現する(見えるようにする)機能なんですね。
そのために、写真における純粋なHDRでは、カメラで露出を変えた同じシーンの画像を何枚も撮影して合成し、白飛び・黒つぶれが起きないようにするわけです。
そうすると、従来の写真画像と比べると「変な」感じがするので「非現実的」だと表現されることがあります。
また、HDRが極端にかかったり、画像編集で極端にかける人がいたりして、さらに非現実的な画像を作品として見るから、ナチュラルな写真を是とする愛好家は「HDRなんかダメだ」と思ってしまうのでしょう。
でも、人間の目で被写体を見たときは、白飛びや黒つぶれはほとんど無いので、空の雲の白の階調はありありと判るし、自動車のタイヤの刻印が簡単に読めたりするのです。
それをHDRなどの手法を使って画像上でうまく表現すると、非現実どころか「人間が見る現実に近い」光景を見せることが可能になるのです。
最近の映像機器やソフトでは、そのリアリティに力を入れているようです。
普通の写真画像とHDRの画像
僕が先日、撮影したヨドバシカメラ・リンクス梅田の画像を比較して見てください。
Androidスマホのカメラアプリを使って撮影しました。(ProCam X または Manual Camera どっちか忘れました)
HDRを使うと多少オーバーになることが多いですが、雲の表情がはっきりと判ったり、陰になっている部分の表情も見えてきたりします。
どっちが見た目に近くてリアルかというと、後者ですよね。
「写真」として常識的に見たら前者の方が自然かもしれません。
この撮影場所では、太陽と空の雲により逆光になって、通常のカメラの自動露出で撮ると建物が暗くなってしまう状況でした。
この場合、手前の建物(スターバックス)の壁面緑化の緑色は沈んでしまいますが、カメラのHDR機能により自動的に彩度も調整されて、自然な色合いに見えています。
単純にHDRを施すだけでは変な感じになりやすい
単に露出を変えて撮って合成するだけでは、どうしても変な感じになります。なので、カメラのHDR機能を使うとカメラの設定以外に弄れないから、結果はカメラの処理に依存してしまうのですね。
だからHDRがキレイなカメラとイマイチなカメラが存在するのです。
そこに別の画像処理(例えば彩度を調整するとか)を加えることによって、リアリティのある画像に仕上げるのが正しい使い方、あるいは複数枚の画像から画像編集ソフトで生成するのが王道ではないか思います。
既にHDR化された画像には、通常の明度・彩度・コントラスト等の調整を加えることで自然な感じに出来ますが、
普通の写真を画像編集アプリ(ソフト)で「HDR風」の処理をする場合、デフォルトで彩度が強調されていたりします。HDRのメニューの中に、明度・彩度・コントラストを調整する機能がセットになっていたりするので、その辺りを調整することで丁度良い感じに仕上げることができます。
なお、普通の状態で白から黒までの階調が綺麗に出ている場合は、HDRを使うと不自然になりやすいし、逆効果にもなるので、表現としてあえて狙う以外は、あくまで撮影条件が悪い場合に使うのが適切でしょうね。
参考資料
EIZO株式会社 よくわかる、HDR徹底解説! HDRとは
Adobe Photoshop ユーザーガイド ハイダイナミックレンジ(HDR)画像
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/high-dynamic-range-images.html