無題

人生100年を突破してしまう!?

昭和の初めには人生40年が普通だった!?

驚くべきことに、二世代くらい前の世代、つまり今現在90歳くらいの方たちが生まれたころの日本の平均寿命は40代前半でした。昭和一桁生まれの時代です。過去から遡ってみると、この40歳という寿命も当時は凄い事だったのでしょう。それ以前は何千年もの間、日本人の平均寿命は30代半ばで推移していました。

もちろん、この平均寿命40代には当時の高い乳幼児死亡率が含まれています。とはいえ、それを鑑みても、わずか100年前には「人生は60歳そこそこでおわる」のが普通でした。私は今45歳ですが、100年前だったらもう平均寿命を過ぎています。さいとう村の中ではすでに長老扱いかもしれません。

当時も寿命の延びは予測されていたのでしょう。そこからわずか30年後、戦後復興で急速に経済成長を遂げたとき、日本人の平均寿命は急激に上昇しました。昭和30年には日本人の平均寿命は62.8歳まで急速に上昇します。この頃の日本では今につながる社会の基盤が形作られました

だから、日本の社会基盤は、「たいていの人は70歳くらいで死ぬだろう」という前提のもとに築かれました。年金や社会保障だけではありません。結婚や学問や仕事に対する日本人の多くの価値観もこの頃に醸成されています。


人生100年時代と言われたときの絶望感

しかし、今は人生100年時代。100歳まで生きる覚悟しろよ!と突然言われるようになりました。まさに阿鼻叫喚。90年前に生まれた子たち、今は90歳の方々は当時、親から60歳までどうやって生きるかを教わりました。

その子供たちが、70歳を超え、90歳を超えたとき、彼らは人類史にかつてなかった新しい時代を生き始めたのです。過去の常識が一切通用しなくなりました。なぜなら、過去にこのような状況を体験した人はいないからです。当然ながら我々が親からもらった価値観は崩壊し、社会保障制度は行き詰りました。

残念ながら、我々の世代は多くの人が100歳を超えて生きるでしょう。それは今の考え方では「確実に来る未来」です。しかし、100年前の人にとっては60歳で死ぬことが「確実に来る未来」でした。我々が本来すべきことは、それですらもしかしたら凌駕されてしまうという前提をもって未来創造をするべきでしょう。

我々団塊ジュニアの大半が100歳に到達するのは今から50年後です。人工知能、量子コンピューター、外骨格ロボット、3Dプリンター、CRISPRによる遺伝子編集そして、日本の誇るiPS細胞からオートファジー技術まで、どれだけのテクノロジーが今急速に進化しているか、そして今後加速するかを考えた方が良いでしょう。


100歳では死ねない時代の到来!?

50年後のテクノロジーで、我々は100歳では死ねません。生身の限界が120歳だとして、臓器レベルで入れ替え、細胞レベルで延命化し、脳を丸ごとシミュレートしてしまう技術が急速に加速してきます。スパコンの15億倍というスピードを誇る量子コンピューターがそれをさらに加速させるでしょう。

これこそが人類の次の進化であり次世代人類です。(良く勘違いされますが、シンギュラリティは人工知能の進化の話ではなく、人類自身に起きる進化の話です。)60歳で死ぬと思っていて90歳まで生きてしまった世代を我々は笑うことはできません。我々が100歳まで生きる前提で120歳まで生きてしまった時の悲劇が想像できるでしょうか。

エクスポネンシャルな進化を創造したときに、今を生きる我々は「今この時点で」150歳まで生きることをあらかじめ想定しておく必要があります。つまり「今から100年生きる」のです。それは夢物語ではなくて、次世代の為に我々が今考えておくべきことだからです。次世代に対する責任だからです。


人生150年時代だからこそやるべきこと

この2年間くらい、いろいろな人とこの質問をしてきました。おかげで「人生150年時代だからこそやるべきこと」としては一定の結論にたどり着きつつあります。今から100年生きると想定すると、やるべきことが明確に見えてきます。それは「未来志向になる」ということ同義だからです。

1.自分の頭で考える「本来の学問に立ち戻る」。未来志向になるからこそ過去に学び、そこから自分の頭で判断して決断する力を今からでも身に着ける。この後、成人教育は劇的に変わっていきます。

2.10年単位で身に着ける「技術や習慣の会得」。例えば語学や他人の信頼獲得など、長期的にしか育むことのできないもの、若いころ夢見ていた事も今すぐ始めるべき。遅いという事はないし新しい技術がそれを可能にする。

3.今から100年生きるための「健康づくり」。今の積み重ねが未来をつくる。体が悪くても生かされてしまう可能性も考えると、なるべく肉体が長く持つようにしなければいけない。

4.「仕事(生きてる意義)の再定義」が起こる。今から100年生きるのだとすると、終身雇用は存在しない、定年は関係ない。「今やっていることの一つ一つが未来につながっているか」を考えることが重要。それが生きている意義であり仕事となる。

という事ですよね。さぁ、明日のワークショップの準備するぞー!

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