【薬剤師に相談】黄体ホルモンを増やす為にはどの漢方を飲めば良いですか?
【ご相談内容】
高温期が短くて低温期との温度差が1度下がってしまいました。黄体ホルモンを増やすのには漢方が効くとききましたが、何を飲めばいいのですか?
【回答内容】
ご不安な状況を教えて下さりありがとうございます。今回ホルモンを増やしたいとの事で漢方薬に関してご質問をいただいておりますが、医師の方で黄体機能不全に関して診断は受けられましたでしょうか?
診断においてご相談者様のご申告された内容は黄体機能不全の病態の1つには該当してきます。しかし、ホルモン検査や子宮内膜評価が出来ていない状態で漢方薬を直ぐに始めるのは得策ではございません。 理由として黄体機能不全の診断が出てない状態で闇雲に薬を飲むのは良くないと考えられるためです。
いただいた症状を元に、漢方的には「腎」に異常があると考えられるので、「参茸補血丸」等の漢方薬の使用が良いと考えられますが、お値段的にかなりお高めです。また高温期にイライラや胸やお腹の張りが強い場合は「肝」の気が停滞しているとも考える事が出来、「逍遙顆粒」が必要の場合もあります。 漢方薬は比較的取り掛かりやすいイメージがとても強いのですが、お体の状態にあった状態の商品を選ばないと効果が全く感じられず、費用ばかりかさんでしまいます。
もし、ご受診されたものの納得のいく治療が受けられなかった等ございましたら、ヒアリングを通しながら今後の治療に関して一緒に考えさせていただければと思っております。 現在、ご受診はされていらっしゃいますでしょうか?
▼きざみ本薬湯▼
「腎」の機能低下は冷えや浮腫みに繋がり、更にそれらが原因で黄体機能不全へと繋がると考えられます。「きざみ本薬湯」は生薬を使用した薬湯になり、薬草処方師が監修し厳選した商品で黄体機能不全の原因になる冷えや浮腫みの症状改善に期待出来る最高の薬湯になります。お薬との併用も問題ない為、今後の治療にも一切影響なく使用することが出来、また「お約束回数がない」為、手軽に始められます。
~お薬解説~
■黄体機能不全とは
排卵後に十分な量の黄体ホルモンが分泌されず、また黄体が早々と退化して高温期が維持できない状態を指します。また、卵胞の発育が十分でないことや、子宮内膜の感受性が低下していることなども原因として考えられます。
≪診断基準≫
・黄体期の黄体ホルモン(プロゲステロン:P4)値が10mg/ml未満
・高温期が短い(10日未満)
・高温期と低温期の差があまりない(0.3℃未満)
・高温期の途中で低温へ落ち込む
・子宮内膜が薄い(8mm以下)
■治療方法の概要
・西洋医学
黄体ホルモンの補充や排卵誘発剤などで卵胞の発育や排卵を促すことを考え治療を進める
・東洋医学(漢方)
子宮や卵巣を過度に刺激することなく、体全体のバランスを整えて、治療を進める
■東洋医学(漢方)での治療方法
東洋医学(漢方)では黄体機能不全を中心に生殖や成長をつかさどる「腎」の力が弱くなった『腎陽虚』を主な原因と考えます。
※腎陽虚の特徴:四肢の冷え、日中の眠気、夜間多尿、性欲減退等
腎の力が弱いと、卵胞が育たず、黄体の働きも低下しやすくなります。基礎体温も全体的に低く、高温期が維持できず10日以内で終わってしまうことが多いです。また、血が不足して冷えやすく、血行もよくない状態がみられます。この状態では、受精卵にとって着床しやすい子宮内膜ができません。
腎の働きを高める為の生薬では鹿茸(ろくじょう)などの動物性の生薬がよく使用され、これらを配合した漢方薬には「参茸補血丸」などが挙げられます。また「肝」の気が停滞して、『肝鬱(かんうつ)』の状態になりやすい方に対しては「逍遙顆粒」などを使用します。
※肝鬱:憂鬱感、情緒不安定、いらいら、怒りっぽい等
黄体機能不全は、基礎体温では高温期に異常がみられる疾患です。しかし、漢方では、低温期の卵子の発育不全の延長上に黄体機能不全があるとして、生理周期全体のからだの改善を重視し、良い卵を育てることも大切だと考えます。また、漢方では卵巣や子宮を刺激せずに、気血の不足や滞りを改善し整えていくことで、女性ホルモンのバランスや基礎体温も安定し、黄体機能が正常になることもよくあります。
■まとめ
西洋医学でも東洋医学どちらにしても、まずは病気の診断をすることが大前提です。よく漢方薬は「市販でも簡単に手に入る」、「副作用が少ない」、「口コミで良いと聞いた」等を理由に取り敢えず、始められる方が多い印象です。しかし、そのような考え方を一度改めていただきたいと思います。
漢方薬はお体の体質にあった使い方をすればしっかりと効果を実感できますが、間違った使い方をすれば副作用が発生します。皆様が一度はかかったことのあるであろう、インフルエンザウイルスですが、漢方薬では麻黄湯というお薬が初期のインフルエンザウイルスに効果を示すなど、とても強いお薬もあります。
なので安易な自己判断はせず、漢方を使用する際は、漢方に精通した医師や薬剤師に必ず相談するようにしてください。
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