新潟モグラ駅めぐり④ 美佐島駅~越後湯沢にて宿泊
「モグラ駅めぐり」と言いつつモグラ駅でない駅をめぐる記事が続いていましたが、今度は本当にモグラ駅です。
最初の記事と前回の記事はこちら。
美佐島駅
虫川大杉駅を出るとトンネルの多い区間に入るため、筒石駅の恐怖が染み付いている状態では否が応でも緊張感が高まります。
上越市を抜けて十日町市の中心街を通る路線を30分ほど乗車し、16:00ちょうどに美佐島駅に到着しました。
地上からの距離が筒石駅よりはずっと浅く、トンネルも新しいためか恐怖感は控えめでした。
ただ、ホームに留まっていると管制室からアナウンスが入るそうなので、そそくさと退散。
ホームを出ると地下待合室になっていて、待合室と階段の間も自動ドアで閉ざされています。
ホームから地下待合室へ出る自動ドアが閉まるまで、階段へのドアが開かず、上ることができません。
というのも、電車が発車する際に「ホーム・待合室間のドア」「待合室・階段間のドア」が同時に空いたままになっていると、気圧差で地上待合室まで突風が吹くためだとか。
開業前に地上待合室を破壊してしまった事例があるそうです。
閑話休題。ホームの自動ドアがゆっくりと閉まるのを見届け、階段を上ります。
地下待合室は筒石駅同様ジメジメひんやりとして薄暗いですが、階段で直接地上待合室とつながっているためか、心細さはありません。
階段の中ほどから夏らしい気温になり、身体が温まると同時になんだかホッとしました。
美佐島駅の地上待合室は公民館のようになっており、畳敷きの待合室やきれいに整備されたトイレ、自動販売機があります。
待合室の扉が少し空いていたのでちらりと覗くと脱いだ靴が見えたので、先客がいるようです。
この人が怖い人で絡まれてしまったり、気の合う人で話し込んでしまったりすると周辺散策する時間がなくなってしまうため、待合室は一旦スルーして出発しました。
まず、駅舎全景はこんな感じです。
木造の温かみのある建物で、一見しては駅とはわからない雰囲気。周囲の田園風景によく溶け込んでいます。
駅を出て左に進むと、あるのはペットの葬儀場。
……なのですが、これはひょっとしてペンションかなにかの居抜きなのでは……
この建物の過去の情報を調べようとしましたが、少し検索しただけでは出てきませんでした。
駐車場には新しいクルマが何台か停まっていたので、好奇心で近寄っていって傷心の方に鉢合わせてしまうのを避けるため、退散しました。
反対方向に進むと、川の向こうに棚田が見えました。
あの距離感なら正面から見られるのでは?と思ってしばらく歩を進めると……
この通り。バッチリです。
棚田があるあたりは「猿倉」「江道」という集落のようで、古い日本家屋や農機具置き場が立ち並ぶ中に新しい戸建てやアパートがある、比較的活気のある場所でした。
十日町市の中心街へのアクセスが良好なためなのでしょうね。
駅へ戻って地上待合室を覗くと、先ほどの「先客」のおじさんが帰り支度をしているところでした。
詳しい話は聞けなかったのですが、ここにはクルマでやってきたとのこと。確かに駅の裏手に自動車が1台停まっていました。
「先客」が去った後のがらんとした待合室です。
ここなら駅寝も余裕そうですが、夕方6時には閉まってしまうとのこと。
深夜運転後の昼寝などには使えるかもしれません。ガラッと入って寝袋転がってたらびっくりしそうだけど。
誰もいなくなった待合室で駅ノートを書き残しました。
発車時刻まであと5分、階段を下まで降りると、入口の方でなにやら物音が。
先ほどのおじさんが「もうすぐ地元の方がやってくる」と言っていたので、清掃にいらしたのでしょう。
夕方に閉まるというのは、掃除をしたあとに施錠をするということなんですかね。
お話を伺っても良かったのですが、電車の時間が迫っていたのでそのまま地下待合室へとすすみました。
地下待合室は2畳ほどの空間で、壁はコンクリート打ちっぱなしの最低限の作りになっています。
ただ、花が活けてあったり、地下待合室にも駅ノートが設置してあったり、本棚があったり、大切にされていることは十分伺えました。
地下待合室はひんやりして涼しいですが、人の温かみを感じる場所でもありました。
そうこうしているうちにアナウンスが流れ、アナログテレビの砂嵐のような音がして電車がやってきました。
この音はトンネルからの排気音だそうです。
電車が完全に到着するまで自動ドアが開かないので、どうしてもこういう写真になってしまうのですよね。
最後に、行きは撮れなかった駅名標をサッと撮影して、電車に乗り込みました。
越後湯沢駅
乗った直通列車はJR上越線に直通し、越後湯沢駅まで運転していました。
ほくほく線から直通運転した列車は「0番線」に止まり、このまま折り返すようです。
ところで、越後湯沢駅には様々な日本酒をリーズナブルにちゃんぽんできる「ぽんしゅ館」があります。
越後と言うと豪雪地帯として有名ですが、多数の酒蔵を抱える酒処でもあるのです。
500円払ってメダルを5枚もらい、この機械におちょこをセットしてメダルを入れるとおちょこ一杯のお酒が提供されます。
ちなみに、おつまみは1本100円のきゅうりのみ。日本酒を楽しむことに特化した施設ですね。
都度都度チェイサーで舌とおちょこをリセットして、閉店時間まで飲み続けること1時間。消えたメダルの数は20枚。
一番のお気に入りはこちらでした(英語表記がskiじゃなくてskyになってますね)。
ぽんしゅ館、越後湯沢駅の他には新潟駅と長岡駅にあるそうなので、越後に御用のある方はぜひ。
千鳥足のまま駅を出て予約していた民宿にたどり着き、近くのうどんすき屋で軽い夕食をとりました。
民宿のお風呂が21時までだったのですが、上がって部屋に帰って22時には爆睡。
さすがに1日歩き通しで疲れていたようです。
明日は、朝の出発を少しゆっくりに設定して、土合駅に向かいます。
(つづき)