見出し画像

「結の年代」を生きる...承継後をカッコ良く生きる

65歳になり同級生のほとんどが定年退職し
それぞれがさまざまな人生を歩んでいます。

人生80年を「起承転結」に例えれば
還暦以後は「結の年代」と言えます。
そして「結の年代はすべてが縮小していく年代」であり
経営者にとっては「事業承継の年代」でもあります。

60歳で承継すれば「早すぎる」と言われるかもしれませんが
70歳で経営者を続けていれば必ずどこかで
「いつまでやるの?」と言われます。

経営とは経営者の生き様であり
生き様の締めくくりは死に様なのです。
「終わりよければ総てよし」...
それが完結して初めて「素晴らしい経営者」になるのです。

先輩経営者の皆様とお付き合いしながら学んだ
「結の時代をカッコ良く生きるコツ」について考えてみました。

○手放すこと

経営者、特に創業者は手放すことが苦手です。
夢に向かって挑戦し戦いゼロから一つずつ創りだし手に入れてきた人生だからです。

しかし「結の年代」のテーマは「手放すこと」にあります。

手放すことが苦手なヒトの苦手な理由は「今の生活を維持したい」
厳しく言えば「変化を避けて過去の延長線上の中に留まりたいというという執着」なのです。

経営者の仕事は環境対応業です。

優秀な経営者ほど経営環境の変化に対応して
自らと組織を変化させ続けてきたハズです。

その自分が変化から逃げるようになったとしたら
それ自体が経営者としての老いの証明ではありませんか?

経営環境と同時に自分も変化し老いていくことを
冷静に見つめなければなりません。

手放すこととは環境と自身の変化を受け容れ
能動的に自らの変化を選択することなのです。

○身軽に生きる

変化と老いを受け容れてカッコ良く前向きに生きるコツは
「身軽に生きる」ことではないでしょうか?

サラリーマンであれば役職や地位を
経営者であればまさしく事業や経営を手放し
身軽になることです。

経営者として築いてきたプライドや人脈や習慣やモノも...
不要なものはすべて捨てて身軽になることです。

退職しても過去の勤務先や役職を自分のプライドとして身に纏っている人
引退したと言いながらいつまでも自分のやり方を押し付ける先代経営者
そんなヒトは周囲にとっては迷惑でしかありません。

身軽になることは後退でも負けでもありません
停滞せずに前進するための選択肢なのです。

人は独りで生まれ独りで死んでゼロに戻ります。
プライドも人脈も習慣も資産やお金もそして想い出さえも
あの世に持っていくことはできません。

最後は着替えだけ詰めたトランク一つで死んでいくのが理想です。

○孤独を楽しむ

身軽になることを恐れる多くの経営者が感じるのが「孤独」です。

引退すれば社員も取引先もお客様も
皆が決定権のある後継者の方を向くようになります。
お歳暮もお中元も年賀状も来なくなります。
自分が疎外され孤独の中に放り出されたように感じるかもしれません。

でも「結の年代」には本当に心の許せる友が数人いれば十分なのです。
本当に大切なものだけが残ればよいのです。

そして「孤独」を楽しめる力が必要です。
独りで遊べる力、独りでも悠々と生きられる力
会社からも家族からも世間からも「自立」して独りの世界を持てる力
を身に付けることにより「孤立」が遠ざかるのです。

過去の遺物に執着し続け老害をまき散らし
孤立にさいなまれるのではなく...
自立して孤独を楽しみ悠々と生き抜く

それが残念な経営者にならなず
カッコ良く生きるコツなのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?