そもそも「宇宙開発」ってナニ???
僕のnoteに幾度となく登場する「宇宙開発」という4文字。しかし、その言葉は曖昧としていて、どのようなものかはっきりと分かりません。今回のnoteでは、宇宙開発の大まかな定義を説明していきます。
(上図は一例です。様々な解釈があります。)
1「宇宙開発」を辞書で調べてみた!!
未知の宇宙を探究し、人類に新たな活動領域をもたらそうとすること。
『大辞泉』
宇宙空間を人間の活動範囲として役立たせるようにすること。また、そのための科学技術を進歩させること。
『大辞林』
宇宙空間にある資源とエネルギーを人間に役立たせること。
『新明解国語辞典』
大気圏外の、いわゆる宇宙空間に光学カメラやレーダーなどの観測機器や人間を送り出し、それを基礎にして新たに知識を増やしたり、あるいは直接に人間の生活に役立たせようという一連の活動。(以下省略)
『日本大百科事典』
様々な辞書から引用してみました。一文でまとめると、次のようになると思います。
宇宙という「空間」を利用したり、探査をしたりして、人間の生活に役立つような技術を作り出すことや新たな知識を手に入れる活動をすること。
2宇宙開発を分類してみる
宇宙開発は具体的にどのような活動を指すのか考えていきます。
最初に宇宙を利用するためには、宇宙へ行く輸送手段がないといけません。人工衛星を地上で作っても、それを宇宙へ運ばないと役割を果たすことができません。
まず、大まかな括りとして次のように分けることができます。
宇宙へ行く<輸送>と宇宙を使う<利用>の2つに分けることができます。主に輸送ではロケット、利用では人工衛星や探査機が使われます。また、利用分野には有人宇宙活動も含まれます。
次に注目する点は、宇宙を使う<利用>です。
この分類では、宇宙を2つの領域に分けてその利用方法を考えました。まず、図左は、地球の周りを回る衛星について、図右は月や他の惑星探査です。
地球の周囲を回る衛星のことを「地球周回衛星」と呼びますが、私たちの暮らしに密着するほど大切な役割をしています。これについては次の分類で見ます。
地球周回衛星は、地球の重力が働く場所で活動をしています。しかし、月や火星などの惑星へいきたい時は地球の重力を振り切らなければなりません。地球の重力圏から脱出した探査機を使った活動が図右です。
次に注目する点は、地球周回衛星です。これも主に2つに分かれます。
この2つは先ほど述べた地球周回衛星です。
科学衛星とは、宇宙から様々な天体を観測する人工衛星・探査機やその活動のことを言います。有名な探査機はNASAのハッブル宇宙望遠鏡(どんな写真を撮っているかはこちら)や日本の太陽観測衛星「ひので」が挙げられます。
実用衛星は、人工衛星を使うことで人間の生活を豊かにしていくための衛星とその活動です。例えば、カーナビで使われているGPSや主に天気予報で使われる気象衛星、さらには通信や放送を支える通信衛星があります。日本で最も馴染みのある実用衛星は、天気予報で大きな役割を果たす気象観測衛星「ひまわり」でしょう。
しかし、宇宙を利用するには位置の利用だけでなく、「宇宙」という特殊な環境を利用し地上ではできない実験をする「環境の利用」も宇宙開発の一つのトピックです。その役割を果たすのが、国際宇宙ステーションです。また、人間が宇宙に行く有人宇宙飛行も「環境の利用」の一種です。
今回は、大まかに分類してみました。少しは宇宙開発についてのイメージが持てたと思います。今後ますます加速していく宇宙開発。もうすぐ、この枠に収まりきらない新たな計画が誕生するかもしれません。
※今回、初めて本格的な図解を作成してみました。まだまだ勉強中です。。。。
<参考文献及び写真>
・宇宙手帳 渡辺勝己著 p 70「宇宙開発の活動分野」を参考に図を作成。
・写真:NASA
・ピクトグラムは、以下のサイトよりダウンロードしました。