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【旧約聖書:12】十戒⑨

ヨシュアは翌朝早く起き、イスラエルの民たちとともに旅立ち、
ヨルダン川のところまできた。
神はヨシュアに告げた。
「今日から、全イスラエルの民の前でお前を大いなる者とする。
 モーセと同じように、私がお前とともにあることを示すためである。
 契約の箱(十戒で記した石板が入った箱)を担ぐ祭司たちに、
 『ヨルダン川の水際に来たら、ヨルダン川の中に立ち続けよ』と命じなさい。」
ヨシュアは民に言った。
「見よ。契約の箱があなたがたの先頭に立ってヨルダン川を渡ろうとしている。 
 今、部族ごとに一人ずつ、12人を差し出しなさい。
 契約の箱を担ぐ祭司たちの足の裏が、ヨルダン川の中に留まるとき、
 川の流れは止まり、ヨルダン川の水は堰き止められるだろう。」
こうして、民全員がヨルダン川を渡り終えた。

神はヨシュアに告げた。
「民の中から部族ごとに12人ずつ差出し、その者たちに命じなさい。
 『ヨルダン川の真ん中、祭司たちが足をとどめたその場所から12の石を取り、
 それらを携えてわたり、宿営地に据えよ。』と。」
彼らは言う通りにした。
このようにして、約4万の人がエリコの草原へと進んで行った。
ヨシュアは、ヨルダン川からとった12の石を積み上げ、民に言った。
「後になって、あなたがたの子供たちがこう尋ねるだろう。
 『この石はなぁに?』と。
 その時はこう答えるのだ。
 『私たちは乾いた地面の上を歩いてこのヨルダン川を渡ったのだよ』と。
 それは、この世界のあらゆる民が神の存在が強いことを知るためである。
 あなたがたがいつも、自分たちの神を恐れるためである。」

ヨルダン川の反対側に住むアモリ人とカナン人の全ての王たちは、
イスラエル人によるヨルダン川の奇跡を知らされると
気力を失ってしまった。

エリコは民たちを前にして、その城門を固く閉ざしていた。
神はヨシュアに告げた。
「見よ、私はエリコとその王、勇士たちをお前の手に渡した。
 おまえたち戦士はみな町の周りを回れ。
 町を一周せよ。
 6日間そのようにせよ。
 7人の祭司たちは7つの御羊の角笛を手にして、箱の前を進め。
 7日目には、お前たちは7回、町の周りを回り、角笛を吹き鳴らすのだ。
 祭司たちが角笛を長く吹き鳴らし、お前たちがその音を聞いたら、
 民は大声で鬨(とき)の声を上げよ。
 そうすれば町の城壁は崩れ落ちるだろう。
 その時、まっすぐ攻め上るのだ。」
ヨシュアは祭司たちに声をかけた。
「契約の箱を担ぎなさい。
 7人の祭司たちは角笛を持ち、契約の箱の前を進みなさい。」
そして、同時に民にはこう告げた。
「進みなさい、町の周りを回りなさい。
 武装した者は箱の前を進め。」
こうして、武装した者が祭司を先導し、祭司は笛を吹き鳴らした。
その後ろを箱は進んだ。
ヨシュアは民に命じた。
「まだ声をあげてはならない。
 わたしがそれを言うその時まで。」
こうして、契約の箱は町の周りを回り、一周した。
そして、人々は宿営に戻って夜を明かした。
翌朝、ヨシュアはまた昨日と同じことをした。
そして、2日目も。
その後、6日間同じことをした。
7日目、夜明け前に彼らは起きて、同じことをした。
ただその日は町の周りを7周回った。
7周目に祭司たちが笛を吹き鳴らしたとき、ヨシュアが呼びかけた。
「鬨の声を上げよ。
 神が与えてくださった。
 この町とともにある全てのものを打ち倒すのだ。
 ただし、遊女ハラブと、その家の者だけだ生かしておけ。」
民たちは、鬨の声を上げ、祭司たちは角笛を吹いた。
人々の大声が響き渡ると、城壁は崩れ落ちた。
そこで、民たちは町を攻め取り、すべてを火で焼き尽くした。
ハラブとその家族を除いては。
その後、アイの地の人々12000人を討ち、町を焼き尽くして占領すると、
ヨシュアはエバル山に祭壇を築いた。
そして、そこに律法の写しを置いた。

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