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【旧約聖書:12】十戒⑩
そのころ、ヨルダン川の西側に住む、
ヒッタイト人、アモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の王たちはみな、
イスラエル人たちの行いを見て、一致団結してこれに立ち向かおうとした。
一方、ギブオンの民は変装をして、ボロをまとい、イスラエルの人に言った。
「私たちは遠い国から参りました。私たちと盟約を結んでください。」
すると、イスラエル人は返した。
あなたがたは、私たちの中の一人ではないのか、どこから来たのか?と。
彼らは答えた。
遠い国から来た、あなたたちの行いの噂を聞いたからだと。
そして、イスラエルの民は彼らと盟約を交わした。
それから3日ほどしたのち、彼らが実は近くに住む者だということを聞き、
それが分かると、人々はなんて卑怯なのだと文句を言った。
しかし、誓いを破ることはできず、彼らを生かしておくことにした。
ヨシュアは彼らを呼び寄せ、自分たちを欺いた行いを責めた。
そして、こう告げた。
「今あなたがたは呪われる。
あなたがたは今後、奴隷として、私たちのために薪を割る者、水を汲む者となり、
それはずっと続くことになるだろう。」
彼らは答えた。
「私たちははっきり知っています。
あなたがたがこの全土から私たちを駆逐し、この地を支配することを。
それは神の御心であり、モーセに命じられたことを知っています。
私たちのことはどうかお好きなようにしてください。」
その後、ヨシュアは彼らの命を救い、薪を割る者、水を汲む者として
生き長らえさせた。
エルサレムの王、アドニ・ツェデクは、ギブオンの民がイスラエル人の中に組み込まれたことを知って、
これを非常に恐れた。
そして、ヘブロンの王ホハム、ヤルムテの王ピルアム、ラキシュの王ヤフィア、エグロンの王デビルに
人を遣わした。
「私を助けてください。
共にギブオンを討ちましょう。
彼らがヨシュアおよびイスラエルの民と和睦したためです。」
そうして、アモリ人の5人の王は、集結し、ギブオンに戦いを挑んだ。
すると、ギブオンの民たちはヨシュアの下へ向かい、こう伝えた。
「急いで、私たちを助けてください。
アモリ人の王たちがみな、私たちを討とうとやってきます。」
ヨシュアは、戦士たちを携えてそれに向かって行った。
神はヨシュアに告げた。
「彼らを恐れてはならない。
あなたの前に立ちはだかる者は一人としていないのだから。」
ヨシュアたちは、彼らに襲いかかり、激しく討った。
そして彼らは死んだ。
その日、ヨシュアは神に語り、民の前で言った。
「太陽よ、ギブオンの上で動くな。
月よ、アヤロンの谷で。」
こうして、民がアモリ人を討ち終わるまで、太陽は動かず、
月はとどまった。