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【旧約聖書:4】ノアの箱舟

ノアは完璧な人間であった。
ノアには3人の息子がいた。
セム、ハム、ヤフェテである。
そのころ、世界は堕落しきっており、人々は苦しみで疲れ果てていた。
神が世界を見渡すと、全てのあらゆる人間が己の道を踏み外しているのが見えた。
そこで、神はノアに言った。
「全ての人間が終わりを告げようとしている。
 なぜなら、この世界はあまりにむごたらしい行為で満ちているからだ。
 見よ、わたしは彼らを世界とともに滅ぼそう…

 ノアよ、おまえは木で箱舟をつくりなさい、
 そしてその箱舟に部屋をつくり、その表面にタールを塗りなさい、
 その箱舟には天窓をつけ、階をもうけなさい。

 わたしは、命あるすべてのものを滅ぼすために、
 この世界に大洪水をもたらそうと思う、
 地上の生き物は全て死に絶えるであろう…
 しかし、わたしはお前と契約を結ぼう。
 おまえは、息子とその妻たちとともに、箱舟に乗りなさい。
 そして、全ての生き物の中からオスとメスの2匹ずつを連れて箱舟にのせ  なさい。」
 ノアはこの神の命に従った。

 神はノアに告げた。
 「おまえたち家族はみな箱舟に乗りなさい。
  つがいの生き物たちとともに。
  7日経ったら、わたしは地上に40日間雨を降らせ続ける。
  全ての生き物は息絶えるであろう…」

 その後40日間、雨は降り続き、大いなる洪水となって、
 世界は水で覆いつくされた。
 こうして、地上のすべての生き物は世界から消え去った。
 水は、こうして150日間地上を満たしあふれさせたそののち、
 地上から姿を消しはじめた。

 箱舟は、アララテの山に到着した。
 ノアは、地上から水が引いたか確かめるために、天窓から鳩を外へ放っ た。
 すると、鳩はオリーブの若葉を口にたずさえ、舞い戻ってきた。
 それにより、ノアは水が完全に世界から引いたとわかった。
 地面が完全に乾ききったころ、神はノアに言った。
 「ノアよ、家族たちとともに箱舟から出よ、
  そして、生き物たちを地上に放ち、殖やし満たしなさい…」

 神はさらに告げた。
「わたしは、もう決して大地に呪いをかけたりはしない。
 この世界が続くかぎり、夏と冬、昼と夜がなくなることはない…」
 こう言って、神は雲の中に虹をかかげた。
 それが、神と世界との約束のしるしであった。

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