【新約聖書:39】死刑判決
祭の度に、民衆の願う囚人を一人釈放する決まりごとがあった。
当時、バラバという囚人がいた。
ピラトは、人々が集まってくると言った。
「どちらを釈放してほしいか。
バラバか、それとも救世主と言われるイエスか。」
ピラトが裁判の席についているとき、妻から伝言があった。
「あの正しい人に関係しないで。
その人のことで、私は昨日夢でとても苦しみました。」
しかし、祭司長や長老たちは、バラバを釈放してイエスを死刑にするべきだと人々を説得した。
そこで、ピラトが、「どちらを釈放してほしいか。」と聞くと、
人々は言った。
「バラバを。」
ピラトは続けた。
「では、救世主と言われるイエスの方はどうすべきだろうか。」
群衆は言った。
「十字架につけろ。」
ピラトは、「いったいどんな悪事を働いたというのだろうか。」と言った。
しかし、人々は激しく求めた。
「十字架につけろ。」
ピラトは、これ以上の説得は無駄だと思い、騒動が起こりそうだと感じた。
そして、水を持ってこさせて、人々の前で手を洗って、言った。
「この人の血について、私には責任がない。
お前たちの問題である。」
群衆は答えた。
「その血の責任は、我々と子孫にある。」
そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ちにしてから、
十字架につけるため引き渡した。
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