【第一回】ビジネスの成長につながるカテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?基本的な概要と重要性
みなさん、はじめまして。株式会社EXIDEA(エクシィディア) マーケティングコンサルタントの樽見です。今回は、消費者があるカテゴリー内で商品を選んだり、購入するときに何を基準に決めるかの要因とされるカテゴリーエントリーポイント(CEP)についてお話します。
事業の成長は常に右肩上がりではなく、いつかは成長が鈍化したり、頭打ちになることもあるはず。弊社にご相談頂くお客様は、このようなお悩みを抱えていることもあります。このカテゴリーエントリーポイント(CEP)は、購買行動やブランドの認知に大きな影響を与えるので、事業の成長、そして拡大においてとても重要な要素になります。
本連載の第1回目では、カテゴリーエントリーポイント(CEP)の概要や仕組みを説明します。
(以下、本文中はカテゴリーエントリーポイントをCEPと記載します)
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?
カテゴリーエントリーポイント(CEP)の概要
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、冒頭お伝えした通り、消費者が特定の製品カテゴリーに対して最初に認識し、関心を持つ接点のことを指します。CEPは、消費者の購買行動の出発点であり、マーケティング戦略を策定する上で極めて重要です。
CEPを効果的に活用できれば、ブランドは消費者との関係値を構築し、市場での競争力を高めることができます。CEPは広告やプロモーション、店頭ディスプレイ、口コミなど多岐にわたる企業と消費者の間のコミュニケーションを通じて形成されます。
これらのコミュニケーションによって、消費者は特定の製品カテゴリーに対する関心を高め、最終的には特定のブランドへの購買行動に繋がります。CEPを理解することは、効果的なマーケティング活動の基盤となります。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)が生まれる仕組み
CEPが生まれる仕組みは、消費者の特定のニーズや状況に対する認識から始まります。具体的には、消費者が特定の状況でどのような商品やサービスを必要とするかを理解することが重要です。
これには、消費者の行動パターンやライフスタイル、さらには感情的なトリガーが深く関わっています。上図のように炭酸飲料を例にとると、さまざまなエントリーポイントがあり、そこから炭酸飲料というカテゴリーへ、最終的には特定の炭酸飲料を購買します。
消費者の行動を分析することで、企業は消費者のニーズに適したCEPを特定し、マーケティング戦略を構築することが可能です。また、テクノロジーの進化により、データ収集と分析が以前よりも容易になり、より精度の高い消費者インサイトを得ることができるようになっています。
これにより、企業は消費者のニーズを把握し、迅速に対応することができるのです。
参考書籍:「ブランディングの科学」著:バイロン・シャープ
【Tips】エボークトセット(Evoked Set)
あわせて知っておいて欲しいのが、エボークトセット(Evoked Set)で、消費者が購買行動の際に想起する商品やサービスのブランド群を指します。1963年に当時シカゴ大学のジョンハワード氏が提唱した概念です。
これに含まれるブランドは、購買の選択肢として上位に入っているため、購買されやすい傾向があります。上記の図の通り、そもそも商品やサービスを知っている知らないから始まり、そのブランドを好んでいるいないという脳内思考から最終的な購買や契約へと繋がります。
そのため、いかに自社の商品・サービスが想起集合、強いては第一想起/選択に入るかが重要です。
某ハンバーガーチェーンと消費者の接点
ここで私が個人的にすごいなと思う事例をご紹介します。
世界的なハンバーガーチェーンのマクドナルドは、ハンバーガーのラインナップの豊富さはもちろん、デザートやコーヒーにも力を入れており、今では知らない人はいないのではないかと思います。
以下に私が想像しうるCEPを簡単にまとめてみました。
このようにいくつものカテゴリーポイントから想起されるようになっています。これはあくまで私の個人的な主観ではありますが、同じように思っていたり、これ以外の利用シーンを思い描いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような利用シーンに合わせて、消費者を啓蒙していくことで、日常でのブランドの想起率があがり、ブランドのシェアを高めたり、消費者の購買機会を増やすことにつなげることができます。
まとめ
CEPを理解することは、マーケティング戦略を考えるうえで非常に重要です。今回の内容を端的にまとめると以下の通りです。
CEPは、消費者と商品・サービスのカテゴリーの接点
第一想起されると購買につながりやすい
CEPがいくつもあると市場での競争力が高まる
今回はCEPに関する連載の第一回目ということで基本的な概要に触れましたが、次回はBtoBサービスの企業をピックアップし、CEPの観点からマーケティング戦略を考察してみたいと思います。ぜひ楽しみにしてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。